寝すぎで眠いってありうるの?
半信半疑で、7時間半睡眠を心がけるように努力を開始。大袈裟ではなく、スッキリと目覚められている自分に驚きです
休日によく耳にする「寝すぎで眠い」という言葉。
これまでは「これ以上寝ても仕方ないから、シャワーでも浴びて目を覚ましたら?」なんて適当に返していたけれど、実際、たくさん寝たせいでより眠くなるという状況はありうるの?

そこで、睡眠の専門家であるスリープクリニック調布医院長の遠藤拓郎先生に聞いてみると、「不眠が続いている場合に多く見受けられる症状ですが、一般に睡眠を取りすぎたせいで、より眠くなるということはありません」とのこと。

ふむふむ。でも私自身、たくさん寝ても眠いときは眠いし、あまり寝ていないのにすっきりと目覚められたという経験もありますよ! 一体これはどうしてなの?

「ヒトの睡眠は夢を見ない(眠りが深い)『ノンレム睡眠』と、夢を見る(眠りが浅い)『レム睡眠』がセットになっていて、およそ90分で繰り返しています。たくさん寝たのに眠いときには、眠りの深いノンレム睡眠のときに目覚めたということが考えられます。反対に、短い睡眠時間でもすっきりと目覚められた場合は、眠りの浅いレム睡眠のときに目が覚めたといえるでしょう。
ちなみにノンレム睡眠は深い眠りですが、その中でも深いノンレム睡眠と浅いノンレム睡眠があり、とくに深いノンレム睡眠の時には起こされてもなかなか起きることができず、次のレム睡眠になるまで起きられない場合もあります」(遠藤先生)

学生時代になんとな〜く習った気もするけど、つまりはどんなに睡眠をとっても、起きるタイミングが悪ければ、何時間寝ても眠いということなのかぁ。

では睡眠時間をたっぷりとっても眠たいとき、その後は時間が許す限り眠り続けてもいいものなの!?
「一般的に睡眠は7時間程度が一番健康によいといわれています。
少なくても満足できるヒトは6時間、長くないと満足できないヒトは9時間が目安になりますが、ほとんどのヒトは7時間半が理想的です。また睡眠は長さだけでなく質が大切。質の良い睡眠をとれば短い睡眠時間で満足できますが、電気をつけたまま眠るなど睡眠の質が悪いと、いくら寝ても満足できません」

なるほど……。寝ていられるだけ眠り続けるのが良いというわけではなく、質の良い睡眠で、適度な睡眠時間が大切なのね。しかも眠りの質が悪いせいでたくさん寝たのに満足できなかった日のことを考えると、ちょっぴり時間を損した気分にも。

さらに遠藤先生いわく、なかなか目が覚めない理由はもうひとつあるみたい。
「ヒトは体温が低いとなかなか起きられません。普通は早朝5時から6時に体温が最低になります。可能性としてはあまり無いものの、夕方に寝て0時前に起きる場合は気持ちよく起きることができますが、それを超えると体温が下がりはじめ、朝まで起きられないこともあるんです」

夕方に寝て朝まで眠り続けるという貴重な経験、私にはありますよ。そんなとき、「あぁ〜私すっごい疲れてたんだな。毎日お疲れさま!」なんて自分に酔っていたけれど、疲れのせいだけじゃなく、起きられる時間帯を逃してたってことなんですね。とほほ。


気を取り直して「さあみなさん、自分に適した睡眠時間で、質の良い眠りを心がけましょう!」

……と言いたいところですが、7時間半が理想というのはわかったけど、自分が気持ちよく目覚められる睡眠時間は意外とわからないもの。そこで、自分に適した睡眠時間を知る方法も聞いてみると、

「夏休みなど、1週間くらい目覚ましを使わなくても良い状況で、自然に起きられる睡眠時間を調べてください。その長さより、少し短い程度が最適な睡眠時間の目安です」と遠藤先生。

ちなみに就寝時間は、単純に起きたい時間から逆算すれば良いんだとか。
自然に起きる睡眠時間より少し短い時間……。次に長い休みがとれたら、是非とも試してみてはいかが? 自分に最適な睡眠時間を知って毎日すっきりと目覚めたら、それだけでハッピーな1日が過ごせそう! でも昔っから朝が苦手な私だから、せっかくの連休なのに、毎日1日の半分以上を睡眠時間に費やしてしまいそうで、ちょっぴり怖いかも!?
(勝浦阿津希/プロップ・アイ)

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