「晴れ」と「くもり」の境目ってどこにあるの?
予報では「快晴」と言う言葉は使わないので、快晴(雲の割合が0〜1割)の場合でも「晴れ」の予報になる
「明日は、晴れのちくもりでしょう」天気予報でおなじみのセリフ。「晴れ」から徐々に雲が増えて「くもり」になるという予報だけれど、ここでよく考えてみよう。
どういう空模様になったら、「晴れ」が「くもり」に変わったと言えるのか。

周囲に聞いてみると、「太陽が出ていれば晴れ、隠れていればくもり」という意見が多かった。しかしこれは正しくない。「晴れ」と「くもり」の境目は、空全体を覆う雲の割合で決まっている。「青空(星空)10割、雲0割」から雲がだんだん増えて、「青空2割、雲8割」になるまでは「晴れ」。「青空1割、雲9割」や「青空0割、雲10割」なら「くもり」ということに。ただし、うすぐもりの場合は「雲10割」でも、影ができるくらいの日射がありそうなら「晴れ」の予報になる。「晴れ」の範囲って、実はかなり広いのである。

しかし、青空がたった2割で「晴れ」と言っていいのだろうか。再び周囲に聞いたところ、意見は2つに割れた。「青空4割が晴れの限界」説と「青空2割でも晴れと言っていい」説である。後者の意見は、最初から正解を知っている人に多かった。
だから、「青空4割が晴れの限界」というあたりが、ふつうの人の感覚なのかも。

ここで気象庁に聞いてみた。どうして「青空2割以上なら晴れ」と決めたのか。
「国際的な気象通報で、雲の量が空全体の8分の7、8分の8の場合をくもりとします。根拠は……よく分かりません。歴史的に人が感じてきたものから決まったのではないでしょうか」

米国気象局(NWS)では、「晴れ」〜「くもり」を、雲の量に応じて5段階に分けて予報している。雲の割合が8分の3〜4の場合、昼間なら“Partly Cloudy”と“Partly Sunny”のどっちを使ってもよいようで、このあたりが境目と言えそう。日本とは少し感覚が違っているようだ。

さて、いろいろ話を聞く中でこんな声があった。
「保育園の送迎に自転車を使っていて、晴れとくもりの区別には興味がない。雨が降るとか雪が降るとか、そっちの方にとても敏感」
なるほど。晴れとくもりの違いなんて、やっぱり大した話じゃないのかもしれません。

(R&S)
編集部おすすめ