カフェのストローって、どうして緑色?
多くの喫茶店では、まだまだ従来の白いストローがほとんどかと思うのですが、シアトル系カフェのアイスコーヒーといったらやはりこの、緑ストローです。
日本のカフェや飲食店で「コーヒー1つ」と言ったら「温かい方と冷たい方、どちらになさいますか?」って聞いてくれる。なんなら客側が、最初からどっちか指定して注文するのが、日本の常識。


でも外国では、「コーヒー1つ」って注文したら、何も聞かれずホットを出されることが多い。最近はコーヒーチェーン店の世界展開で、アイスコーヒーのある店も増えてるけど、今も基本的には、暑い国でもコーヒーは温かい飲み物なのが常識。
一説によると、アイスコーヒーは大正時代の日本で生まれたって言われている。

そんなコーヒー事情はさておき、アイスコーヒーを見て、まず目につくのが緑色のストロー。もちろん大正時代の日本にはないはずで、シアトル系のオシャレカフェとともに、オシャレストローとして外国からやってきたイメージがある。
そこで謎なのは、どうして緑なんだろうってこと。
コーヒー店は緑色の看板が多いとはいえ、何か理由はあるんだろうか。

調べていくと、タリーズコーヒーのサイトに「1997年グリーンストロー誕生」という手がかりを発見。そこで、タリーズコーヒージャパン株式会社へ話を聞くことに。すると「“日本、もしくは世界で初めての採用”とは断定できませんが……」という前置きのうえで、緑ストローにまつわる、興味深いエピソードを教えてくれた。

「1997年、銀座に1号店をオープンした創業者は、当初店舗での勤務もしていました。そのとき、少しでも多くの人にタリーズのことを知ってもらいたく、時間ができると、タリーズのロゴが見えるようにカップを持ちながら、銀座の街中を歩いていたんですね。
これは、コーヒーのテイクアウトの習慣を根付かせるとともに、タリーズのブランドをアピールする目的がありました。
しかし、コーヒーショップは他にもたくさんあり、他社と差別化する必要がありました。そこで、当初使っていた白いストローから、遠くから見てもハッキリと目立つ緑のストローへ変更したと聞いております」

まさか、目立つための工夫だったとは。それに、外国のものじゃなかったとは。
ちなみに日本の流れを受けて、世界でも緑ストローが使われるようになっていったと言われている。他社との差別化を図るためにやったことが、いつの間にか一般化して、「アイスコーヒーといえば緑ストロー」っていうオシャレイメージを生んでいたようだ。


“コーヒーを冷たくしたら美味しいんじゃないか”
“ストローを緑色にしたら目立つんじゃないか”
そんな日本のアイデアで完成されてきた、コーヒー店のアイスコーヒー。

暑い国で、緑ストローが刺さったアイスコーヒーを飲む、それがスタンダードになる時代も、そう遠くはないのかもしれません。
(イチカワ)

タリーズコーヒーHP