ペットボトルに印字されている時刻って必要?
ペットボトルにも缶の底にもある、時刻の表示。一度、探してみてはいかがでしょう。
仕事への集中が切れて逃避モードになると、どうでもいいことに興味を持っちゃうもの。この前、そんな感じで机の上のペットボトル飲料をボーっと眺めていたら、ふとあることが気になった。


それは、ペットボトルに印字された時刻。賞味期限みたいな佇まいなんだけど、分刻みの賞味期限まで、必要なの? って思った。農林水産省のサイトにある賞味期限の説明にも「賞味期限を過ぎても食べられなくなるとは限りません」ってある。

謎の時刻は、一体何を意味してるんだろうか。どうして時刻を記す必要があるんだろうか。

JAS規格を管理する日本農林規格協会に聞いたところ、「JAS規格で時刻の表記は定められておりません」とのこと。また業界団体の全国清涼飲料工業会でも「業界全体での取り決めは特にございません」とキッパリ。どうやらメーカーが独自で行っていることのようだ。
そこで、飲料メーカーの伊藤園に話を聞いた。
「印字されている時間は、賞味期限とは関係ありません。“製造時刻”を表しているんです」
どうして製造された時刻を表示する必要があるんですか?
「商品の不具合やお客様からのクレームなどが発生した場合に、製造時刻によってロットが分かるようにしてあるんです」

つまり時刻は、メーカーが商品管理のためにつけているものだという。賞味期限や製造所の固有記号(アルファベットや数字で表記)と合わせて、いつどこで作られたロットなのかが一発で分かるようになっている。
これらはすべて、万が一のときを考えた大切な記号だ。

ペットボトル以外にも、例えば筒状の缶飲料なら底に、ボトル缶ならキャップの下などに、時刻は印字されている。これもやっぱり、ロットを特定するための記号。また、時刻が書かれてない容器もあるけれど、これらも時刻以外の方法で商品管理されている。

というわけで、ふと気になった時刻だけど、僕らには気にしなくていいものだった。謎の時刻は、謎のままで問題なかった。

とはいえ製造時刻を表してるわけだから、例えば「2:01」って印字は深夜も工場が稼動している証拠。
そんなときはボーっと眺めながら、深夜も稼動している工場に思いを馳せる……なんていうマニアックな楽しみ方をするのもいいかもしれません。逃避モードのときにでも。
(イチカワ)
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