「東京メトロこども大学」の講師陣が気になる
サイトのデザインも全体的に見やすくて、また次の画面に移るまでのロード中に東京メトロのロゴなどが使われていたり、スタンプのデザインも凝ったつくりとなっている。<br>スタンプを全部集めると、「大学デジタルグッズ」を手に入れることができるぞ
先日の副都心線の話題で東京メトロのウェブサイトをチェックしていたところ、「東京メトロこども大学」なる存在を知った。「東京メトロこども大学」とは、東京メトロに関連した情報を子ども向けにわかりやすく紹介している架空の学校のことで、2007年の3月から“開校”している。


こども大学の“授業”は、「地球温暖化対策」「切符や車両のリサイクル」をはじめとして、「バリアフリーへの取り組み」「地下鉄の安全」「東京と地下鉄との歴史」などなど、東京メトロがどのように環境や安全対策に取り組んでいるのか、また、東京メトロの地下鉄の歴史からサービスまでを具体的に学べる内容となっている。

各授業は3章構成になっていて、各章の最後にはクイズが出題され、答えるとスタンプがもらえる。ウェブ上でスタンプラリーが体感できるとともに、これが単位取得の印にもなっているというわけだ。記録は履歴として残されるので、何度でもアクセスして挑戦できる。

どうしてこういったものを立ち上げたのか? 今さらではあるが、東京メトロ広報部の梅垣次郎さんにお話を伺った。

「東京メトロの取り組みなどを、小学生を対象とした子どもたちの目線で提供することで、地下鉄をより身近に感じてもらえたらと思い、『学校』をモチーフにして開校しました」

このサイトを立ち上げるにあたって、「子どもたちが求めている情報を提供する」ことに一番こだわったそうだ。

「我々が取り組んでいる鉄道事業において、“鉄分”、鉄道色の濃い専門的な情報ではなく、子どもたちが何を求めているのかを中心に内容を考えました。子どもたちはインターネットをどういうきっかけで見ることが多いのかを調査した結果、夏休みの宿題などに出される自由研究の題材としてチェックする傾向があることに着目しました。そこで、当社が行っている環境への取り組みなどを伝えていこう」と始まったのだそうだ。
また、子どもへ向けたコンテンツのため、「専門用語はできるだけ表現を言い換えたり解説を加え、漢字にもルビを振ったりして、わかりやすい内容を心がけました」とのことだ。

ところで、このサイトでとても気になったのが東京メトロのことを教えてくれる各講師陣。東京メトロの地下鉄の路線分、9名の講師が存在し、それぞれの名前も路線名にもじって、“南北”薫子先生、“丸ノ内”豊先生などと付けられていて、さらにプロフィールまで掲載されている。
親しみやすさを考え、各路線のイメージからキャラクターがつくられたそうだ。

この講師陣を見たときに、自分は副都心千佳先生が一番のお気に入りとなったのだが、プロフィールを見たら、有楽町志郎先生とこの6月に結婚が決まっているとの情報が……。これは、6月14日に開業する副都心線が有楽町線の線路を一部共有することから、自然ななりゆき!? のように思えるが、なんだか残念だ……。
地下鉄自体でいえば、半蔵門線と銀座線が好きなのだが、半蔵門線は「マナー・ルール」を教える厳格な半蔵門泰先生、銀座線は「東京と地下鉄の歴史」を教える銀座徳夫先生と無骨な2人だった、なんだか残念だ……。銀座線は開業が1927年という歴史の古さ(このサイトで学んだ)からか、銀座先生は肩書きも“名誉教授”だった。

ところで、副都心千佳先生のコンテンツのみは3章構成とはなっておらず、「東京メトロのこれから」と題し、東京メトロで働く若手の社員5名へインタビューした模様が紹介されている。駅務係、運転士、公務係、車掌、車両係の男女5名の人々が、「どうして東京メトロで働こうと思ったのか?」「具体的な仕事内容は?」といった質問に答えていて、最後はそれぞれ子どもたちへの将来のメッセージも添えられていて、普段なかなか知ることのできない人々の仕事のお話が聞けて、とても興味深い内容だった。

このほか、東京メトロに関するいろいろなデータを閲覧することができる資料室「データコンテンツ」や、ゲーム「駅ナンバリングゲーム」も用意されている。このゲームは、トランプの「七並べ」と同じルールで、東京メトロ各線の駅名をナンバリングに従って並べていくゲームで、遊びながら駅名とナンバリングを覚えることができる内容となっている。ちなみに「駅ナンバリング」とは、各路線の頭文字を取ったアルファベットと駅番号が記されたもの。たとえば、銀座線だったら「Ginza」の「G」に、数字は基本、西または南の駅から01、02……と付けられるので、渋谷駅は「G-01」となる。
このゲームをやっているうちに、今まであまり利用したことのない「千代田線」「南北線」の駅名も覚えることができた。


子どものみならず大人もとっても楽しめる「東京メトロこども大学」、一度“入学”してみませんか?
(dskiwt)

東京メトロこども大学HP
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