中国の家電大手、TCL科技集団がこのほど発表した2025年6月中間決算は、売上高が前年同期比6.7%増の856億元(約1兆8000億円)、純利益が89.3%増の18億8000万元(約395億円)だった。営業活動によるキャッシュフローは2.2倍の273億元(約5730億円)となった。

中国家電大手TCL、上期売上1兆円超え ミドルレンジ・ハイエンド戦略で純利益6割増

半導体ディスプレー事業が高成長を維持した。傘下のパネルメーカー、TCL華星光電技術(CSOT)の売上高は14.4%増の504億3000万元(約1兆600億円)、純利益は74.0%増の43億2000万元(約907億円)、親会社のTCL科技集団に帰属する純利益は51.0%増の26億3000万元(約552億円)だった。

同社は液晶ディスプレー(LCD)分野で競争優位性を持つ。うちテレビや業務用ディスプレーなどの大画面製品は市場シェアが24.0%と4.0ポイント上昇し、総合競争力とEBITDA(利払い・税引き・償却前利益)利益率は世界トップクラスとなった。ディスプレーやノートパソコン(PC)、車載機器、携帯電話など中小画面製品の販売量も軒並み増加した。

日本テレビ市場で中国メーカーシェアが約50%の衝撃

CSOTはフレキシブル有機EL(OLED)分野でも引き続き業績を伸ばした。湖北省武漢市にある第6世代フレキシブルOLEDパネルを生産する「t4」工場が寄与し、1~6月の販売量は8.7%拡大。スマートフォン用フレキシブルOLEDの市場シェアは世界4位、折りたたみディスプレーの出荷台数は世界上位3位をキープし、ウエアラブル製品は大規模な量産化と出荷を実現した。【新華社北京】

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