中国の新興電気自動車(EV)メーカー「蔚来汽車(NIO)」の李斌・最高経営責任者(CEO)は9月3日、英高級車マクラーレン・オートモーティブとの提携に初めて言及し、2025年4~6月期は同社への技術提供による売上高が数億元(数十億円)に上る見込みだと明らかにした。

李CEOは「当社の大株主であるアラブ首長国連邦(UAE)の政府系ファンド、CYVNホールディングスがマクラーレンを買収したことを受け、一部技術の提供を開始した。

現在は技術の外部提供による売上高の主軸となっている」と説明。マクラーレンへの技術提供による売上高は2025年1~3月期から計上しており、4~6月期はさらに増える見込みだとしながらも、「現在のところ売上高は安定していない」と述べた。

中国EVメーカー、外資企業に技術を提供する時代に

NIOの2025年4~6月期決算は、売上高が前年同期比9%増の190億1000万元(約4000億円)、純損失は1%減の50億元(約1100億円)だった。外部への技術提供が含まれる「その他事業」の売上高は28億7000万元(約600億円)で、前年同期比62.6%増、前期比37.1%増と大幅に拡大した。

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CYVNは、2023年7月と12月の2回にわたってNIOに総額約33億ドル(約4900億円)を出資、発行済株式の約20.1%を実質的に取得した。また、25年4月にはマクラーレンの自動車事業および一部モータースポーツ事業の買収を完了し、大株主となった。同時に、マクラーレンはEVシフトを加速するため、新興EVメーカーの英フォーセブンと完全合併した。

*1元=約21円、1ドル=約148円で計算しています。

(36Kr Japan編集部)

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