新型コロナウイルス感染拡大の影響で、世界各国で中止が余儀なくされているゴルフトーナメント。国内女子ツアーは「アース・モンダミンカップ」で開幕することができたが、次戦は8月中旬の「NEC軽井沢72ゴルフトーナメント」まで試合なし。
そんな状況のなか、少しでもツアーに思いを馳せてもらおうとツアー取材担当が見た選手の意外な素顔や強さの秘訣、思い出の取材などを紹介。今回は全英直前の渋野日向子について。
全英では最高の笑顔!歴史的瞬間を動画で振り返る
今季の海外女子メジャー初戦となる「全英AIG女子オープン」の開催が決まりました。無観客ですが、渋野プロにとっては初となるディフェンディング大会ですし、日本勢初となる海外メジャー連覇がかかります。
そんな大きな期待のかかる渋野プロですが、実は昨年の全英前最後の試合となる「サマンサタバサ ガールズコレクション・レディース」では、フラストレーションの溜まる戦いをしていました。
2日目を終えて首位がトータル12アンダーまで伸ばすバーディ合戦のなか、渋野プロは梅雨と冷夏が作り出した重たいグリーンに「ことごとくチャンスを外して…」と大苦戦。
初日を終えてイーブンパーの48位タイと予選落ちが考えられる位置でした。それでも2日目で何とか伸ばして「とりあえず一安心です」となんとか予選突破を果たしました。その時に出たのが、この言葉です。
「イライラを超えて笑えてきました」
いいストロークをしても入らない! 気持ちよくイギリスに行きたいのに! そんなフラストレーションを“シブコ節”を交えて表現してくれました。
結局、最終日もパットは決まりません。小祝さくらプロとイ・ミニョンプロの壮絶な優勝争いには加わることはできませんでしたが、ただでは終わらないのが渋野プロ。
一番振れているとキャディにいわれていた状態のショットともに、「パッティングもフィーリングは悪くなかった。確かに入らなかったですが、(全英に)好調で行くために、パッティングがショットに影響しないように、考えながらできました」とスコアには出なくともしっかりと手ごたえをつかんで、主演女優の座を射止める舞台へと向かっていったのでした。
ちなみに最終日には、こんなやりとりもありました。この時18ラウンド連続オーバーパーなし。新記録に向けて期待がかかっていたのですが、「記録はイギリスでは置いておいて(笑)、また帰ってきたら頑張りたいです。ひとまず好調でイギリスに行けそうです」と初めての海外メジャーということもあって自分に期待し過ぎず、半ば諦めムードも漂わせました。
ですが、結果はご存知の通り。イギリスでもオーバーパーを打つことなく、9月に見事、記録を更新しました。
まだ確定ではありませんが、渋野プロの今年の全英前最後の試合は、前週の「アバディーン・スタンダード・インベストメンツ・スコットランド女子オープン」となりそうです。本番と同じスコットランドでの前哨戦。今年もいい手ごたえをつかんで、連覇のかかる戦いへと向かってほしいです。(文・秋田義和)

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