<中国新聞ちゅーピーレディースカップ 最終日◇25日◇芸南カントリークラブ(広島県)◇6460ヤード・パー72>
『80打っても、90打っても怒らないから、攻めてきなさい。思いっきりやって、自分で誕生日を祝ってきなさい』
みんな良い笑顔! 佐伯三貴と“門下生”たち【写真】
師匠の言葉に発奮した。
この日、28歳の誕生日を迎えた沖せいらが4バーディ・ノーボギーの「68」をマーク。首位との2打差を逆転し、トータル9アンダーでステップ・アップ・ツアー初優勝をつかんだ。
「ラウンド中は、(師匠の佐伯)三貴さんの『パーでいいんよ。絶対チャンスが来るけん』って言葉が常に頭にあった。きょうはそのおかげで、メリハリのあるゴルフができた。27歳、最後のショットは108ヤード。
いい締めくくりができました」
きのう、27歳最後のラウンドはイーグルフィニッシュ。28歳の初ラウンドも5番パー4でバーディ先行と快調に滑り出すと、9番からハーフを挟んで3連続バーディを奪った。終わってみれば、ボギーフリーでベストスコアタイとなる「68」。会心の逆転勝利に笑みがこぼれた。
師匠の佐伯との出会いは2018年5月までさかのぼる。「大学(東北福祉大)の先輩で、最初は挨拶がないと怒られました。
中京テレビ・ブリヂストンレディスで練習ラウンドを一緒に回っていただいたことがきっかけ」で、教えを乞うようになった。
昨年の「大王製紙エリエールレディス」を最後にツアーの第一線から退いた佐伯。今では、2週前の「日本女子プロ選手権コニカミノルタ杯」で優勝争いを演じた田辺ひかりをはじめ、多くの門下生を抱える“佐伯塾”の長として後進の育成に励んでいる。
パットの名手としてならした佐伯の指導は的確だ。「本当に細かいことまで教えていただけるし、教え方が上手いので分かりやすいです。私はパッティングが苦手なので、まだまだ伸びしろがあると思います」と、さらなる高みを見据える。

尊敬してやまない師匠の故郷・広島で初優勝。忘れられない誕生日となった。

■中国新聞ちゅーピーレディース 最終結果
■沖せいら プロフィール
■新世代のお姉さん役が“弟子”に教えていること【佐伯三貴の目】
■松田鈴英と沖せいらにみる同期という存在の重要性【記者の目】
■ツアー会場で目撃 これが“佐伯塾”の練習の様子