“チャンピオンズディナー”と言えば誰しもが思い浮かべるのが「マスターズ」の火曜日。前年度の優勝者がメニューを決めて、歴代チャンピオンがグリーンジャケットを着用してクラブハウスで催される晩餐会だ。来年の4月には松山英樹がメニューを決めることになっている。
マスターズだけでなく、実は「全米プロゴルフ選手権」にも同じように火曜日に“チャンピオンズディナー”が催される。そして同じく前年覇者がメニューを決めるのが慣習となっている。
1965年から始まったという晩餐会は、マスターズのそれとは少し違うスタイル。マスターズはグリーンジャケットを着用する人だけが集まる、なんとも重厚な扉の向こうで開催されるのに対し、こちらは歴代チャンピオンの家族同伴が認められている。
今年のディフェンディングチャンピオンは、昨年8月にサンフランシスコのハーディンパークで勝利したコリン・モリカワ(米国)。しかし、モリカワは勝利するまでその慣習を知らなかったという。
「知ってびっくりしたけれど、とてもうれしかった。僕は食べることが大好きだから」とモリカワ。気になるそのメニューは…
前菜は、ハーディンパーク・クラムチャウダー、もしくはコブサラダ、メインはコビア(スギ(魚))のレモンケッパーソース、もしくはフライドチキンとマカロニチーズ。
テーブルにはほうれん草のクリームソース、芽キャベツのロースト、マッシュポテト、アスパラガスが添えられ、デザートにはアイスクリーム(バニラ・チョコレート・バナナ)。
「みんながたくさん食べられるように魚かチキンを選んだ。ヘルシーに食べるか、そうでないか、それぞれ選択してもらった(笑)。テーブルにはたくさん野菜を出してファミリースタイルにした。このところはずっとコロナ禍で部屋で一人で食べることが多かった。すばらしい時間だった」と、晩餐会を大いに楽しんだようだ。(文・武川玲子=米国在住)