TOPPAN・ジェイオイルら4社、リサイクル原料を用いた食用油向け業務用容器の開発を開始 循環型モデルの実現へ
BASFジャパン、興人フィルム&ケミカルズ、TOPPAN、J-オイルミルズの4社は、ケミカルリサイクルポリアミドを用いた食用油向け業務用容器「BIB(バッグインボックス)(※1)」の開発に向けた協業を開始したと発表した。

同取り組みでは、使用済みの混合プラスチックをケミカルリサイクルにより基礎原料へと転換し、ポリアミド(※2)を製造。
これをマスバランス・アプローチ(※3)で原料として割り当て、従来の化石資源の代替とするという。

ケミカルリサイクルされた製品は、食品接触の要件を満たす性能を有し、従来製品と同等の品質を実現できるとしている。

今後4社は、2026年3月までにケミカルリサイクル素材を活用したBIBの供給スキームを構築。その後、複合包材(※4)におけるポリアミドの水平リサイクルなど、循環型モデルの社会実装を視野に入れるとしている。

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BIBが使用されている、J-オイルミルズの代表商品である業務用長持ち油「長徳®」 (中央の画像は中身が見えるように段ボールを切ったもの)各社の役割として、BASFジャパンがケミカルリサイクルによるポリアミドの製造と原料提供を担当。興人フィルム&ケミカルズがフィルム製膜を担い、TOPPANが容器の製造・販売・マーケティングを行う。J-オイルミルズは、包材設計と製品の品質確保を行う。

今回の協業は、複合包材におけるリサイクル手法が確立されていないという社会課題に対応するもので、埋め立て・焼却処理の削減と資源循環の実現を目指すとのことだ。

(※1)プラスチックの袋を紙製の段ボール箱の中に入れた液体容器
(※2)容器の強度を向上させ、内容物を保護する物質
(※3)原料から製品への加工・流通工程において、ある特性を持った原料(例:バイ オマス由来原料)がそうでない原料(例:石油由来原料)と混合される場合に、その特性を持った原料の投入量に応じて、製品の一部に対してその特性の割り当てを行う手法(出典:環境省)
(※4)ポリエステル、ポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレンなど多素材フィルムを接着剤でラミネートし、それぞれの素材の機能を活かした包装材

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