DX推進企業、6割以上に「レガシーシステム」が存在 「2025年の崖」も理解進まず
インフォマートは、企業や自治体でIT部門、DX推進担当、経営企画として勤務する人と経営者・役員360名を対象に、2025年の崖とDXに関する実態調査を実施し、結果を公表した。

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2025年の崖とDXに関する実態調査

■6割近くが「2025年の崖」について理解が進んでいない

「2025年の崖」は、経済産業省が2018年に発表した『DXレポート ~ITシステム「2025年の崖」克服とDXの本格的な展開~』の中で提唱された言葉だが、「2025年の崖」という言葉を知っているか聞を調査(n=360)。

その結果、「内容をよく理解しており、自社への影響も把握している」が27.2%、「言葉は知っており、概要も理解している」が14.2%で、合算すると41.4%となった。


一方、「全く知らない」が42.2%、「言葉は聞いたことがあるが、内容はよく知らない」が16.4%で、合算すると58.6%となり、6割近くが「2025年の崖」について、理解が進んでいない状況であることが判明。

DX推進企業、6割以上に「レガシーシステム」が存在 「2025年の崖」も理解進まず
「2025年の崖」という言葉と、それが及ぼす影響を知っているか

■約8割が「2025年の崖」が事業に与える負の影響を懸念

「2025年の崖」が勤務先にどの程度影響を与えるか聞いたところ(n=274、勤務先への影響について「分からない」と回答した人を除外)、「非常に大きな負の影響がある」が20.1%、「ある程度、負の影響がある」が36.9%、「多少は負の影響があるかもしれない」が23.4%となった。

合算すると、80.4%となり、8割以上が「2025年の崖」が事業に与える負の影響を懸念していることが分かる。

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「2025年の崖」が勤務先にどの程度影響を与えるかまた、「2025年の崖」が勤務先に与えうるリスクについて考えられるものについても自由回答で聞いたところ、以下のような回答があげられたとのことだ。

【自由回答】
・「システム障害やシステム更新の影響で業務に支障が出る」
・「利用システムのサポート期限終了によるセキュリティリスクが増大する」
・「人材不足により運用保守業務の継続ができない」等

■6割以上の企業に「レガシーシステム」が存在

勤務先に、「レガシーシステム」と呼ばれる老朽化・複雑化・ブラックボックス化した基幹システムや業務システムが存在するか質問(n=282、勤務先にレガシーシステムが存在するか「分からない」と回答した方を除外)。

その結果、主要なシステムがレガシーシステムに該当すると回答したのは25.5%、一部のシステムが該当すると回答したのは37.6%で、合算すると63.1%となり、6割以上の企業にレガシーシステムが存在することが明らかに。

回答者を業種ごとに分類すると、割合が多い順に製造業が81.6%、運輸業・郵便業が75.0%、金融業・保険業が69.2%となった。

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勤務先に、「レガシーシステム」と呼ばれる基幹システムや業務システムが存在するか

■レガシーシステム刷新の壁は「業務に手いっぱいで要員が割けない」「既存システムへのこだわり」「ブラックボックス化」

勤務先にレガシーシステムが存在すると回答した人に、レガシーシステムを刷新する上での課題を聞いたところ(n=178)、最も多かったのは「業務に手いっぱいで十分な要員を割くことができない」で46.1%。

次いで「既存システムへの操作性や機能へのこだわりを解消できない」、「ブラックボックス化が進み、影響度が想定できない」がそれぞれ42.7%と続く。

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レガシーシステムを刷新する上での課題

■3割以上が今後3年間のIT関連投資を増加させると回答

今後3年間、勤務先におけるIT関連投資の増減予定を聞いたところ(n=360)、「大幅に増加させる予定」が8.3%、「ある程度増加させる予定」が23.3%となり、合算すると31.6%がIT関連投資を増加させる予定であることが判明。

DX推進企業、6割以上に「レガシーシステム」が存在 「2025年の崖」も理解進まず
今後3年間、勤務先におけるIT関連投資の増減予定今後3年間のIT関連投資を増加させると回答した人(n=114)にその理由や目的を聞いたところ、最多が「DX推進による業務効率化・生産性向上」が44.7%、次いで「セキュリティ対策の強化」が40.4%、「DX推進による新規事業・新サービス開発」が38.6%となった。

DX推進企業、6割以上に「レガシーシステム」が存在 「2025年の崖」も理解進まず
IT関連投資を増加させる理由【調査概要】
調査対象:企業または自治体に勤務するIT部門、DX推進、経営企画の担当者、経営者・役員
調査方法:インターネットリサーチ
調査内容:2025年の崖とDXに関する実態調査
調査期間:2025年5月23日~5月28日
回答者:360名

<参考>
インフォマート『2025年の崖とDXに関する実態調査
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