
■「好きなことにお金を使いたい」Z世代と「節約・投資思考」のY世代
横軸に「現在お金を使っている」、縦軸に「もっとお金をかけたい」として結果を分布し、Z世代とY世代のお金の使いどころを整理。その結果、現在も金額をかけていて今後もかけたいものとしてZ世代で特に目立つのは「推し活・オタ活」であり、Y世代に比べてお金を使っている比重もお金をかけたい気持ちも高いことがわかった。
また現在はお金を使っていないが、今後お金をかけたいものとしていずれの世代でも「投資」が挙がっているものの、Y世代の方がよりお金をかけたい意識が強い結果となっている。
Z世代とY世代のお金の使いどころ
(横軸「現在お金を使っているもの」、縦軸「もっとお金をかけたいもの」)反対に、横軸はそのままに、縦軸に「もっと費用を減らしたいもの」を置き、どの消費活動に無駄遣いを感じているのか比較。
その結果、Z世代では「推し活・オタ活」がお金をかけたい反面、お金を減らしたいものとしても一定数挙がり、「推し」のためにより費用をかけたい層と節約対象と見ている層で意見が分かれた。
一方で「ファッション」「スキンケア」「メイクグッズ」といった身だしなみに関する項目は、減らすつもりのないものとして分類されている。
Z世代は「推し活」にかける費用を減らしたいと考える層もいる一方で、身だしなみにかける費用は減らしたくないという意識が垣間見られる結果に。
Y世代では「食費(外食以外)」「スマホ代」「外食費」といった娯楽以外の項目がお金を減らしたいものとして挙がっている。

(横軸「現在お金を使っているもの」、縦軸「もっと費用を減らしたいもの」)
■Z世代はモノよりもコト消費を重視する傾向に
Z世代は「物質的なものよりも、体験や経験にお金を使いたい」意識が男女共にY世代よりも高くなる結果に。また、Y世代と比べて収入増の意欲は強くはないものの、お金の勉強はしていることがわかる。一方、Y世代が高いのは「もっと収入をアップしたい」「将来の経済環境(景気、就職状況、収入など)について不安を感じる」「早期から老後資金や非常時のための貯蓄をすることは重要だ」「今すぐの満足よりも将来のため貯蓄を優先したい」など。
Y世代には就職氷河期世代も含まれ、今よりも労働時間や退職年齢が延びることは嫌だが収入を上げたい意向はZ世代よりも高め。好景気を知らない世代らしく、今後の景気への不安から安定性を重視して貯蓄意識が高い結果となっている。

■Z世代の投資利用は2割程度にとどまる Y世代の方が積極的な姿勢
続いて、投資の利用状況について確認したところ、最も利用率が高いのが「NISA/新NISA/つみたてNISA」で、Z世代男性では2割近く・Y世代男性では3割近くが利用。(Z世代は23歳以上に限定して集計。)次に利用率が高いのが「株式投資(国内株式/海外株式)」で、3番目に「投資信託」が続く。

■投資は社会的な意義としても位置付けているZ世代
投資利用者ベースで見ると、「将来の生活資金への備え」「貯金のようにコツコツ行うもの」が投資に対するイメージとして多く挙がっており、特にY世代で将来を見据えた備えが重要視されていることが明らかに。Z世代では「ギャンブル・娯楽」「現在の生活資金の補填」「社会の役に立つ」「社会人として当然やるべきこと」といった項目でY世代を上回っており、投資に対して物質的な備え・蓄えだけでなく社会的な意義や目的も求める傾向あると言える。(Z世代は23歳以上に限定して集計。)

■キャッシュレス決済が浸透も年齢的な制約あり Y世代はセキュリティ不安も
続いて、キャッシュレスの利用状況について質問したところ、キャッシュレス決済の方が現金利用に比べて主流に。Y世代と比べ、Z世代は男女共にキャッシュレス決済の利用率が低め。Z世代もスマホ保有率が上がりキャッシュレス決済が身近になったものの、クレジットカード保有率が依然として低いため、事前チャージ型の決済中心になることが多く、事前チャージの手間がキャッシュレス決済利用のハードルとなっているのではないかと同社は考察している。

次いで「割引やポイントなどの特典がある」が多く挙がっており、こちらもY世代女性の割合が高めとなっている。
セキュリティ面に着目すると、Z世代は「セキュリティ対策が万全である」と答えた割合がY世代に比べて高く、Y世代は「セキュリティ対策に不安がある」と答えた割合がZ世代に比べて高い。

■デジタル給与は消極的な結果に Z世代の方が受容高め
デジタル給与の利用意向を質問したところ、いずれの属性でもデジタル給与利用に対して消極的な人の割合が高い結果に。世代別に見ると、Z世代の方がY世代よりもデジタル給与利用に対して積極的。Y世代の方がZ世代よりもセキュリティに対する意識が高く、デジタル給与利用に対して慎重になっているのではないかと同社は考察している。。


調査地域:日本全国
調査対象:16~49歳の男女
調査実施期間:2025年3月17日~3月18日
調査手法:インターネットリサーチ
サンプルサイズ:有効回収計1,002サンプル

日本インフォメーション(株)調べ『Z世代のイマ~変化する消費とお金のカタチ~』