安倍元総理大臣のもとで15年間、外交のスピーチライターを務めた、慶応大学大学院教授で元内閣官房参与の谷口智彦氏が12月27日(火)、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』に出演。安倍元総理大臣の外交スピーチの秘話について語った。
連邦議会上下両院合同会議で演説する安倍総理~出典:首相官邸HPより(https://warp.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/10992693/www.kantei.go.jp/jp/97_abe/actions/201504/29usa.html)
今年の7月に安倍元総理大臣が暗殺されたことについて谷口氏は「一報を聞いて以来、まったく違う世界に彷徨い込んでしまったみたいだ。それは未だに拭えない。どこかで安倍さんが、日本の進路を揺るがない羅針盤として示している世の中があるはずなのに、自分だけがよく似ているが違うパラレルワールドに入り込んでしまった感じだ」と述べた。
また2015年、安倍元総理が行ったアメリカの連邦議会上下両院合同会議での演説の際、元メジャーリーガーの野茂英雄投手を招く演出案があったことを明かした。「日米貿易摩擦が最悪だった時、野茂さんはたったひとりでアメリカに乗り込みトルネード投法で三振をばったばったと奪った。しかも当時はストライキでメジャーリーグの人気が低迷していた。そんな時のヒーロー野茂さんが、客席から壇上の安倍さんにボールを投げれば、そのシーンはテレビの映像に残るはずだ」と演出を思いついた谷口氏は心躍ったという。しかしその演出は様々な事情で実現できなかった。
そのことについて谷口氏は「今振り返ると、奇をてらった演出はやらなくてよかったと思う。実際は安倍さんの必死のスピーチが伝わった。英語の上手下手は関係ない。伝わった瞬間、多くの議員は涙した。