年収750万円の人が、将来もらえる年金額は？ (2025年5月21日)

老後のお金や生活費が足りるのか不安ですよね。老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが、年金制度にまつわることは、難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。そんな年金初心者の方の疑問に専門家が回答します。今回は、生涯の平均年収が750万円の人は、将来いくら年金をもらえるのかについてです。■Q：年収750万円の人が、将来もらえる年金額は？「年収が750万円ぐらいなら、将来、年金をいくらぐらいもらえますか？ 目安をお教えください」（会社員・40代）■A：65歳から、年額247万5865円（月額およそ20万6322円）の年金を受け取れます厚生年金の加入期間がある人は、原則65歳になると老齢基礎年金に上乗せして老齢厚生年金を受け取ることができます。年収750万円の会社員の人は、厚生年金の加入者になります。 今回は試算条件として、相談者を2025年（令和7年）現在40歳、1985年（昭和60年）生まれの人とし、年金受取額の概算を簡易的にするため、22歳から60歳まで（38年間／456カ月間）、生涯平均年収は750万円（ボーナス込み、平均標準報酬額62万5000円）で、厚生年金に加入した場合で計算してみたいと思います。 また、相談者は厚生年金に加入するまでの期間（20歳から22歳まで）は、国民年金に加入しており、未納期間・免除期間がないこととします。この場合、老齢基礎年金は満額の83万1700円（令和7年度）が受け取れます。 老齢厚生年金の受給額を計算するには、2003年（平成15年）3月までと2003年（平成15年）4月以降では、計算式が違います。今回は2003年（平成15年）4月以降の計算式を用います。 老齢厚生年金（報酬比例部分）の計算式は以下となります。 平均標準報酬額×5.769／1000×平成15年4月以降の厚生年金加入期間（※） ※従前額保障での計算方法。スライド率等については省略。乗率は、昭和21年4月2日以降生まれに適用されるものを使います。平均標準報酬額とは、各月の標準報酬月額と標準賞与額の総額のことです。 相談者の年金額を計算してみます。【1】老齢厚生年金の報酬比例部分：62万5000円×5.769／1000×456カ月≒年間164万4165円【2】老齢基礎年金：年間83万1700円【3】【1】老齢厚生年金164万4165円＋【2】老齢基礎年金83万1700円＝年間247万5865円 したがって、38年間、ずっと年収750万円の人は、65歳からおよそ年額247万5865円（月額およそ20万6322円）の年金を受け取ることができます。 また、要件を満たす配偶者がいると、配偶者が65歳になるまで配偶者加給年金額が老齢厚生年金に上乗せされます。 ※現在の制度をもとにした計算で、将来の年金額を保証するものではありません。※経過的加算は考慮していません。※年収と年金は額面で計算しています。監修・文／深川 弘恵（ファイナンシャルプランナー）都市銀行や保険会社、保険代理店での業務経験を通じて、CFP、証券外務員の資格を取得。相談業務やマネーセミナーの講師、資格本の編集等に従事。日本FP協会の埼玉支部においてFP活動を行っている。

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