「人付き合い＝出費」の思い込みを捨てる。お金がなくても心が豊かになる「つながり方」 (2025年8月4日)

「人付き合いにはお金がかかる」と思っていませんか？ 確かに、外食やプレゼントが重なると出費は増えます。そのせいで、「お金がなければ人付き合いも楽しめない」と感じてしまう人もいるかもしれません。でも実は、本当に心が満たされる人間関係は、お金をかけなくても築けます。例えば、家族や友人、地域の人たちとのちょっとした会話や助け合いが、日々の安心感や幸福感につながることもあります。今回は、「お金に頼らなくても人とつながり、心を豊かにする方法」をご紹介します。■今すぐできる“つながりを育む”日常のヒント人とのつながりは、特別な場所やイベントだけで生まれるものではありません。ほんの少しの行動や心掛けで、日々の暮らしの中に温かな交流が芽生えていきます。ここでは、今すぐできる身近なヒントをご紹介します。▼お気に入りの美容室を見つける2カ月に1回ほど、美容院でカットやカラーをするという人は多いでしょう。そんなとき、気の合う美容師さんと話が弾むと、ただの美容時間が心地よい交流の場になります。例えば、趣味の園芸トークや、地元のおすすめのお店や病院の口コミ、旬の野菜を使った簡単レシピの話など、話題は思わぬ方向へ広がります。髪を整えるついでに、情報交換やちょっとした雑談を楽しめる時間は、暮らしを豊かにしてくれる小さなつながりの1つです。▼地域イベントやボランティア活動に参加してみるお金をかけずに人と出会えるチャンスは、意外と身近にたくさんあります。例えば、短歌や俳句の教室、地元の趣味のサークル、ボランティア活動、朝のラジオ体操会などに参加するなどがあります。共通の関心を持つ人と出会える場では、自然と会話が弾みます。▼「ご無沙汰してます！」のひと言で、つながりをもう一度昔の友人にふとメッセージを送ってみると、思いがけずあたたかいやりとりが返ってくることも。「元気ですか？」のひと言が、心をほっと緩めてくれることも。最近では、Zoomなどでオンラインお茶会を開くのも気軽にできます。▼あいさつ・ちょっとしたひと言を大切にする散歩中やスーパーで出会う顔なじみに「こんにちは」「暑いですね」と声を掛けてみるだけでも、人とのつながりのきっかけになります。こうした日常のやりとりが、孤独感を和らげてくれる大きな力になります。■質の高いつながりを見極めるコツ人とのつながりは、数よりも「心地よさ」が大切です。安心できる人間関係は、暮らしの支えにもなりますが、無理をし過ぎると逆にストレスに。ここでは、長く続けられる“質の高いつながり”を育てるヒントをご紹介します。▼「親しき仲にも礼儀あり」を忘れずにどんなに気心が知れていても、相手への思いやりや適度な距離感は大切。礼儀があるからこそ、気持ちよく支え合える関係が築けます。▼相手に期待し過ぎず、自分ができることをする「してもらう」より「できることをする」。見返りを求めない関係は、無理なく自然に続きます。ささやかな気配りが、信頼を育てていきます。▼自分が穏やかでいると、周囲にもその波が伝わる人とのつながりは一方通行ではなく、互いに影響し合うもの。自分が落ち着いていると、相手も安心しやすくなり、よい“循環”が生まれます。▼「自分軸」を大切にしようどれだけ仲がよくても、うわさ話や否定的な空気に疲れてしまうこともあります。また「毎週会おう」「必ず返信してね」など無理な約束が負担に感じるなら、それは自分にとって心地よい関係ではないかもしれません。違和感を覚えたら、早めに距離を取ることも大切です。■まとめ人とのつながりは、お金に頼らずとも築くことはできます。日々の買い物や散歩、美容室や地域のイベントなど、身近な行動範囲の中にも、あたたかいつながりの芽はたくさんあります。少しの心掛けと行動次第で、あなたのまわりの人間関係は、もっと優しく、居心地のよいものに変わっていくはず。お金では得られない満足感を育むために、「つながりのある毎日」を、少しずつ始めましょう。文：舟本 美子（ファイナンシャルプランナー）会計事務所、保険代理店や外資系の保険会社で営業職として勤務後、FPとして独立。人と比較しない自分に合ったお金との付き合い方を発信。3匹の保護猫と暮らす。All About おひとりさまのお金・ペットのお金ガイド。