元内閣官房参与で数量政策学者の髙橋洋一氏による『60歳からの知っておくべき政治学』は、私たち日本人が自分自身の生活を守るために理解しておきたい財政・税制の仕組みについて分かりやすく解説する人気シリーズ第4弾。
本書から一部抜粋し、国際情勢が複雑化する中で表面化してきた国民健康保険の問題点と制度崩壊を防ぐための具体的な処方せんを紹介します。
■3カ月滞在で「保険使い放題」
2025年2月、国民民主党の玉木雄一郎代表は「外国人がわずか90日の滞在で数千万円相当の高額療養を受けられるのはおかしい」と言及し、制度の見直しを提言した。
この背景には、日本の国民健康保険制度における外国人加入要件の異常な緩さがある。この問題の原点は2012年、民主党政権下での制度変更にある。
もともと国民健康保険に加入するには「1年以上」の在留資格が必要とされていたが、省令改正によって「3カ月以上」に短縮された。通常、このような制度変更は国民的な合意のもとで行われるべきだ。
■閣議なしで変えられた「省令」
しかし、当時はパブリックコメントでも批判が集まったにもかかわらず、厚労省による省令改正という「閣議を伴わない手続き」で実行されてしまった。
米国では、研究者として赴任する際でも、公的医療保険は基本的に利用できず、民間保険に加入することが前提となっている。実際、ビザの発給条件に「民間保険加入証明」が求められることが多く、それがなければ入国すらできない。
公的医療制度は自国民および永住者を対象とするのが世界の常識であり、日本のように3カ月の在留資格で国民健康保険を適用する国は極めてまれである。相互主義に基づき、日本も外国人には民間保険加入をビザ発給の条件とすべきだろう。
公的保険の対象を国民と永住者に限定し、それ以外の外国人には民間保険で対応させるというかたちが望ましい。
■不正を防ぐマイナ保険証の役割
一例として、保険証の貸し借りや使い回しが挙げられる。これに対し、マイナ保険証の導入は、顔認証やICチップによる本人確認を可能にし、不正利用の防止に貢献する制度である。
マイナ保険証への批判や抵抗を示す人は、不正利用の余地を狭めることを不都合と感じる一部の層、特に外国人の一部の利用者ではないかという見方もある。
在留期間については、法改正をせずに省令だけで元の1年以上に戻すことはできる。第2次安倍政権下でもこの点は改正されなかったが、それは大きな問題意識が表面化していなかったことが一因と思われる。
近年のインバウンド急増や、短期滞在ビザによる医療目的渡航(メディカルツーリズム)の事例が増えつつあることを踏まえれば、制度の見直しは急務だ。
欧米諸国では近年、移民に対する公的サービス提供のコストが国民負担を上回るとして、受け入れ制限に向けた政策転換が相次いでいる。
日本においても、国民と外国人の間における制度の使い方への意識の乖離が顕著であり、エリート層と一般国民との間で外国人に対する扱いをめぐる意見の温度差が拡大している。
公的医療制度を持続可能なかたちで運営するためには、その対象を明確に限定し、安易に外国人に適用しないという国際的な常識に立ち戻る必要がある。
髙橋 洋一(たかはし・よういち)プロフィール
1955年東京都生まれ。数量政策学者。
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