■投資をいつ、どのように終わらせるか
投資では「何を買うか」に目が向きがちですが、実はそれと同じくらい大事なのが「いつ、どのように終わらせるか」です。いわゆる「出口戦略」のこと。
例えば、老後資金を目的に投資している場合、資産をどう取り崩していくかを考える必要があります。積み立てている間は増えていても、引き出すタイミングや方法を考えなければ、相場下落時に慌てて売ることになりかねません。
また、教育資金のように使う時期が決まっているお金も注意が必要です。固定の金利がつく金融商品なら考えやすいですが、必要な直前まで値動きの大きい商品で運用していると、タイミングによっては大きく減る可能性があります。
そのため、使う時期が近づいたら少しずつ現金化していく考え方が重要になります。
■株は売るときのルールを明確に決める
初心者の場合、株などは「上がったら売る」と漠然と考えているケースも多いですが、それだけでは不十分です。「どれくらい利益が出たら売るのか」「逆にどこまで下がったら見直すのか」自分なりのルールを明確に持つことが大切です。
特に初心者の場合、出口を決めていないと、相場が上昇しているときは「もっと上がるかもしれない」と欲が出やすく、下落時には「そのうち戻るはず」と判断が遅れやすくなります。その結果、大きな損失につながるケースもありますので、最初にルールを決めておくことが大事です。
■出口を考えることで、相場に振り回されない
あらかじめ「どんな目的で投資しているのか」「いつ使う予定なのか」を整理しておくことで、相場の値動きに振り回されにくくなります。
投資は「買っておしまい」ではありません。むしろ、「どう終わらせるか」まで考えて、初めて資産形成として完成します。目的や使う時期を意識しながら、出口から逆算して投資を考えることが初心者には特に重要です。
文:田代 昌之(金融文筆家)
新光証券(現みずほ証券)やシティバンクなどを経て金融情報会社に入社。アナリスト業務やコンプライアンス業務、グループの暗号資産交換業者や証券会社の取締役に従事し、2024年よりフリー。ラジオNIKKEIでパーソナリティを務めている。
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