老後のお金や生活費が足りるのか不安ですよね。老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが、年金制度にまつわることは難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。
そんな年金初心者の方の疑問に専門家が回答します。

今回は、特別支給の老齢厚生年金を60歳から繰り上げた場合、65歳以降も減額が続くのかについての質問です。

■Q:64歳から特別支給の老齢厚生年金をもらえる人が、60歳から繰り上げた場合、65歳以降も減額が続くのでしょうか?
「64歳から特別支給の老齢厚生年金をもらえる人が、60歳から繰り上げ受給した場合について質問です。老齢厚生年金は4年分、老齢基礎年金は5年分の減額になると思います。この場合、65歳になって本来の年金をもらえる年齢になっても、それぞれの減額率は変わらず、一生続くのでしょうか?」(ガリバーさん)

■A:65歳になっても減額率は元に戻らず、生涯にわたって続きます
老齢年金は原則として65歳から受け取りますが、希望すれば60歳から繰り上げて受け取ることができます。ただし、繰り上げた月数に応じて年金額が減額され、その減額率は生涯変わりません。

1962年4月2日以降生まれの人の場合、繰り上げによる減額率は1カ月につき0.4%です(1962年4月1日以前生まれの方の減額率は0.5%)。

64歳から特別支給の老齢厚生年金を受け取れる人が、60歳ちょうどで繰り上げ請求する場合、老齢厚生年金は繰り上げた48カ月分が減額の対象となります。減額率は48カ月×0.4%=19.2%です。

一方、老齢基礎年金は本来の受給開始年齢が65歳のため、繰り上げた60カ月分が減額の対象となり、60カ月×0.4%=24%の減額となります。

このように、老齢厚生年金と老齢基礎年金では減額率が異なりますが、どちらも65歳になったからといって減額が解除されることはありません。

また、繰り上げ請求をすると、後から取り消したり変更したりすることはできません。
請求後は、事後重症による障害年金の請求ができなくなるなどの注意点もあります。

繰り上げ受給を検討する際は、早く年金を受け取れるメリットだけでなく、減額が生涯続くことも理解しておくことが大切です。

監修・文/深川 弘恵(ファイナンシャルプランナー)
都市銀行や保険会社、保険代理店での業務経験を通じて、CFP、証券外務員の資格を取得。相談業務やマネーセミナーの講師、資格本の編集等に従事。日本FP協会の埼玉支部においてFP活動を行っている。
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