働き過ぎて過労死したOLが異世界に転生、現世での反省を活かして究極のスローライフを続けるうちに、気が付けば世界最強になっていた!
ユニークな設定が魅力の、ひと味違う異世界ストーリー『スライム倒して300年、知らないうちにレベルMAXになってました』が、4月10日よりアニメ放送開始となる。

ごく普通のOL・相沢梓は働き過ぎが原因で過労死し、不老不死の魔女アズサとして異世界に転生した。

前世での反省から、辺境の高原でのんびりスローライフを始めた彼女。
スライムを倒して小銭を稼ぎ、魔女らしく薬を作って麓の村のお世話をし、あとはとくに何もしない。
そんな暮らしを続けるうち彼女は「高原の魔女さま」と親しまれるようになっていた——。
そして300年後、スライムを倒し続けた経験値で、アズサはいつの間にやらレベル99=世界最強となってしまっていた。
その噂は広まり、腕に自信のある冒険者はもちろん、決闘を挑んでくるドラゴン娘や、アズサを母と呼ぶ謎のモンスター娘まで押し掛けて来るようになってしまいーー!?

原作小説からコミックス、ドラマCDと展開し、満を持してのアニメ化となった今作。
その ”ぐだふわ” な世界の魅力を、主人公・アズサ役でOPテーマを歌う悠木碧と、アズサのもとに転がり込むブルードラゴンの娘・フラットルテ役でEDテーマを歌う和氣あず未に語ってもらった。


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(C)森田季節・SBクリエイティブ/高原の魔女の家

不思議なテンポのほのぼの会話劇

ーーお二人は、この作品の魅力はどこにあると感じていますか?

悠木 私はドラマCDの時からアズサ役を担当させていただいていますが、女の子同士のかわいさもちゃんと残しつつ、わりとリアル寄りのテンポでギャグが進んでいく、会話劇がおもしろいなと思っています。そこにアニメーションがつくことで、会話の面白さがより活かされつつ女の子のかわいさも強化されていくところが、今回のアニメだと思います。じつは収録はもう終わっているのですが、「絵は後から合わせますから、お芝居的に、遊んでもらえるのならいくらでも結構です」という収録方法だったんです。

和氣 そうでしたね。

悠木 そんな風に、われわれの芝居をリスペクトしていただけて。もちろん、われわれの側も絵をリスペクトしたいという気持ちを持っていたので、お互いがお互いのテンポに気を遣いながら収録していました。
そういうやりとりから生まれる楽しさが、この作品の魅力ではないかと思います。

ーー会話のやりとりが楽しそうですね。

悠木 そうですね。ただかわいいだけじゃなくて、割と現実的なおかしさもあって(笑)。そこは、私が演じるアズサが担っている部分だったりもするのですが。いろいろな表情を持った女の子たちが、いろいろな事情を抱えて登場します。
穏やかな雰囲気が漂いつつ、そこに「穏やかに生きることの良さ」というテーマもしっかり詰め込まれているので、そこも魅力かなと思います。

和氣 基本、異世界が舞台のスローライフで、登場するキャラクターたちの ”種族” がバラバラなところも魅力的。それから、私が本当におもしろいと思うのは、アズサを演じる悠木さんの演技です!

悠木 えっ……本当に? ありがとう!(笑)

和氣 本当におもしろいです! 私はドラマCDのシリーズでは途中からの参加でしたが、悠木さんのアズサは ”だらけている女性” を演じている風の演技ではなく、本当にだらけているようなリアリティがあって……。

悠木 (笑)

和氣 それが本当に意外で、おもしろいです。それに、不思議なテンポ感や多彩な突っ込みも好きです。ですから、作品自体の魅力も大きいですが、引っ張ってくれるアズサ=悠木さんのお芝居も大きな注目ポイントだなって思っています。


悠木 やったぁ! 嬉しい、ありがとう!! 私なりに「アズサがこういう人だったらおもしろいのにな」という思いで演じていたけれど、ギャグってスベるのがいちばんキツいじゃないですか(笑)。今、少なくとも和氣ちゃんには響いていたとわかったので、ホッとしました(笑)。

和氣 いえいえ、みんなに響いていますよ!(笑)

ーーそんなアズサですが、どんなキャラクターだと捉えていますか。

悠木 現実から異世界に転生してきたので、この作品中で唯一の ”リアリティ” というところが個性になっているのかなと。現実的な目線でファンタジーを切っていくという、ちょっとメタ視点がしっかり活きているキャラクターです。みんながキュートに女の子を演じている中で、ペースを乱していくのが特徴なのかなと思います。
でも、ただおもしろい人ではなく、結構 ”男前” なところもあります。女の子がたくさんいるからこそ際立つ、器の大きさもあって、”優しいお母さん” というよりは ”ビッグママ” なんですよ(笑)。そこが魅力でもあるし、おもしろさにつながるポイントでもあると思います。300年も粛々と暮らしているところに、わちゃわちゃ他人がやってきて「家族」になっても、困惑せずに「まあ、いいか」と済ます図太さもおもしろいです。

和氣 悠木さんが言う ”ビッグママ”、まさしくその通りだなと思います。アズサはとても優しくて、自然と周りに女の子たちが集まってくるんです。
私が演じるフラットルテも、最初はあまり他人に懐かないキャラクターでしたが、気が付けば「ご主人様、ご主人様」ってアズサにすっかり懐いているし、他のキャラクターもまるでママを取り合っているような感じです。自然と人が集まってくるような魅力が詰まっているキャラクターだなと思います。

ーーでは、フラットルテはどんなキャラクターでしょう?

和氣 フラットルテはブルードラゴンという種族の女の子ですが、ブルードラゴンはもともと脳筋的な人が多くて、その中でも彼女は特に脳筋。とりあえず行っちゃえ! という猪突猛進型の子です。いつもギャーギャー騒いでいますが、アズサに褒められたらシッポをブンブンふっちゃうみたいな、ドラゴンだけどワンちゃん味のあるキャラクターです。表情もコロコロ変わるし、とてもかわいいと思います。

悠木 レッドドラゴンのライカちゃんが忠犬だとすると、フラットルテちゃんはちょっとおバカ犬みたいな感じかなと……(笑)。

和氣 (笑)

悠木 アズサの周りにはいろいろなタイプの女の子がいますが、根っからのボケって意外と少ないんです。その点、フラットルテは安心してボケを任せられる感じ(笑)。彼女がいれば、とりあえず画面はおもしろいです。でも一方で、実は歌が上手い、みたいな。

和氣 そう、歌が上手いという意外な設定があったりもするんです。

悠木 きっと、直感で生きている子じゃないかな。感覚的な人は心を音楽に乗せたりするのが上手いし。そうかと思うと、突然、裸になって走り回っちゃったりして。年齢的には他のみんなより年下ではないけれど、何となく末っ子寄りの愛おしさがあったりしますね。そんな賑やかな子ですけれど、和氣ちゃんの声と絶妙な天真爛漫さのおかげで、「がさつでヤバい子」にならずにちゃんと「かわいい」の枠に収まっているのが重要だと思います。

和氣 ありがとうございます、嬉しいです! 最初にドラマCDを演じる時は、キャラクターを見て「あれ、この子がアホな子なの?」というくらい、ちょっとおねえさんぽい印象でした。でも、いろいろなイラスト見たりしていくうちに「やっぱりアホな子だな」と思い始めました(笑)。ですから、アニメでは天真爛漫さをより前面に出せているんじゃないかなと思います。
異世界のスローライフを満喫!『スライム倒して300年』悠木碧×和氣あず未インタビュー
▲アズサ(声=悠木碧)
異世界のスローライフを満喫!『スライム倒して300年』悠木碧×和氣あず未インタビュー
▲フラットルテ(声=和氣あず未)

(C)森田季節・SBクリエイティブ/高原の魔女の家

一生懸命を肯定してくれるお話

ーーほかにもたくさん女の子たちが登場しますが、お二人のおすすめの子は?

悠木 誰かなぁ。ファルファとシャルシャは、アズサが溺愛している娘だけあってかわいいですけど……でも、みんなヤバいですよ。ハルカラとか超ヤバイ(笑)。

和氣 (笑)

悠木 ハルカラもフラットルテ同様、ボケですね。すぐに酔っ払っちゃうし。

和氣 私は、ファルファとシャルシャが、めっちゃかわいいと思います。顔は似ているのに、キャラクター性はまったく違うというのもかわいいです。でも、フラットルテと同じドラゴンのライバルとして、やっぱりライカも気になるところです(笑)。フラットルテとは違う方向のワンちゃんぽさを感じますから。本当にアズサのことが大好きで、常にお側にいたがるところも、私自身、犬を飼っている身としては「かわいい~」ってなります。

悠木 フラットルテがアズサに近づくと、ライカも突然「ワン、ワン、ワン!」って感じで懐いてくる。あの感じもいいよね。そう、ひとりひとりのかわいさもさることながら、「この子がいるから、この子のこんな側面が見える」という組み合わせの妙も楽しいです。それが、みんなで生活している良さですよね。

ーー原作小説からドラマCDを経てのアニメ化ですが、アニメになって「ここが楽しくなりそう」というポイントは?

悠木 絵になることで、ドタバタギャグがより伝わるようになったというのはあります。そして、キャラクターデザインがとても魅力的なので、そこはシンプルに強みじゃないかなと思います。華やかさと賑やかさは、より強化されていると思います。

和氣 ドラマCDの時から、みなさんのお芝居を聞きながら「こういう表情なんだろうな」「こういう動きをしているんだろうな」と頭の中でイメージしましたが、自分の想像とアニメでの表現がどのくらい一致しているのかなという楽しみもありますね。

悠木 われわれもまだPVしか観ていませんが、めちゃくちゃカワイイですよ!

ーー悠木さんはOPテーマ「ぐだふわエブリデー」も歌っていますね。

悠木 ドラマCDの時はアニメになるとは思っていませんでしたし、アニメになっても続投させていただけるとは限らないと思っていたし、何ならOPまで歌わせていただけるとはまったく考えていなかったので。このご縁は本当に嬉しかったですし、作品に対する理解が深い状態で歌えたのもとても良かったなと思います。私……今までもいろいろな ”異世界転生” をしてきたのですが(笑)、ここまで幸せなスローライフは今回だけかもしれないという気持ちで、とにかくユルユルな生活の良さを発信できればいいなと思っています。作品のキュートな部分とちょっとおちゃらけた部分が込められていて、何も考えずに「ははは~」と楽しい気持ちになれるところが、この曲の魅力です。曲名の通り ”ぐだふわ” な感じで、深いことは考えずに聴いてください!

ーーそして和氣さんも、ED主題歌『Viewtiful Days!』を歌っています。

和氣 この曲も「スローライフが素晴らしいな」という、OPと通じる内容を歌っています。ED曲といえばしっとりとおしとやかに、次の話数につながるようにみなさんを送り出すというイメージがありますが、今回の曲は「今からはじまるぞ!」という雰囲気もあって。今までの生活も、異世界での新しい生活も、どちらも大切に、楽しく暮らしていけるような、ハッピーな気持ちになれる曲です。ぜひ聴いてください!

ーーでは最後に、これからアニメを観るみなさんへのメッセージをお願いします。

和氣 自分の出演作のEDをアーティストとして歌わせていただくのははじめてなので嬉しいですし、こんなにかわいいキャラクターがたくさん登場するほのぼのスローライフアニメにキャストとして出演できるのも嬉しいです。それに、いろいろな作品で悠木さんの演技が私は大好きだったのでーー。

悠木 嬉しい!

和氣 主人公を演じる悠木さんの姿を近くで見せていただいて、勉強になることがたくさんありました。この作品に関わることで、自分なりにいろいろなものを貰えているのが、とてもありがたいと思っています。PVの完成度も高かったので、アニメ本編も最後まで素晴らしいだろうと、私もOAが楽しみです。きっと魅力的な作品になっているので、ぜひご覧になってください!

悠木 昨今、世が混沌としておりますので、心穏やかに見られる作品は重要なんじゃないかなと思います。我々の収録もいろいろな状況の影響を受けてしまったので、みなさんの心が少しでも癒えたらいいなと思いながら、収録させていただきました。濃い恋愛もなければ、エロやバイオレンスもまったくない作品ですが(笑)、それってすごく重要なことだと思います。家族で観ても問題ない、女の子がたくさん登場するアニメがあってもいいじゃないか! と。女の子たちが一生懸命に生きていて、その一生懸命を誰かが肯定してくれるというお話が紡がれていくので、観れば間違いなく心に元気をもらえます。毎週1回、最新話を観て「ああ、癒やされた……」と、ぐだふわな気分になっていただけたら嬉しいです!

悠木碧【アズサ役】
ゆうき・あおい/3月27日生まれ/千葉県出身/プロ・フィット所属/『さよなら私のクラマー』(曽志崎緑役)ほか

和氣あず未【フラットルテ役】
わき・あずみ/9月8日生まれ/東京都出身/俳協所属/『東京リベンジャーズ』(橘日向役)ほか

TVアニメ『スライム倒して300年、知らないうちにレベルMAXになってました』はTOKYO MX・BS11・AT-Xほかにて4月10日(土)より放送開始。ABEMAほか各サイトにて4月10日(土)より順次配信。

(C)森田季節・SBクリエイティブ/高原の魔女の家