同曲は、ITSUKIとNARITOから成る男性デュオ・all at onceと、昨年「CITRUS」で第63回日本レコード大賞を受賞した男性5人組アーティスト「Da-iCE」のボーカル・大野雄大によるコラボナンバーとして注目を集めている楽曲。
『SWISH』は2007年に渋谷VUENOSで誕生したイベントで、ボーカルグループやダンス&ボーカルグループを中心に数多くのアーティストが出演。若手アーティストの登竜門的イベントとされており、過去にはDa-iCEもたびたび出演していた。
この日のイベントには、大野雄大(from Da-iCE)、all at onceの他、手島章斗がソロになり初参加した他、3人組ボーカルグループ・JYT、京都発の4人組・WITH DOM(第2部のみの出演)が出演。JYTは力強いボーカルとハーモニーで元気いっぱいに会場を盛り上げ、WITH DOMはボーカルとラップを織り交ぜた楽曲でファンキーにステージを展開し、圧倒的な存在感を見せつけた。そして手島はユーモアたっぷりのMCを織り交ぜながら、唯一無二の低音イケボでポップソングを披露して観客を魅了した。
all at onceはトップバッターで登場。まずは、仲宗根泉(HY)が作詞作曲を手がけた極上のバラード曲「年をかさねて」で、集まった観客のハートを摑んだ。静まりかえった会場に、圧倒的なハイトーンと胸を摑むエモーショナルなボーカルだけが響き渡り、観客は耳を澄ませて二人の歌声に聴き入った。続いて、まるでスポーツショーのテーマ曲のような力強さを携えた「Fanfare」、ドラマ『シェフは名探偵』のオープニングテーマとして話題を集めたポップナンバー「マカロン」を繰り出すと、会場にはクラップが鳴り響き、メンバーの呼びかけで挙げた手をプッシュした観客。初々しくも熱いステージングで、会場が一体となった。そして最後には、2020年に『名探偵コナン』エンディングテーマとして起用された「星合」を披露。
大野雄大(from Da-iCE)は、イベントのトリとして登場。秋らしい色合いの茶系の3ピーススーツでステージに現れ、まずは12日に配信リリースされる新曲「愛した人」を披露。しっとりとしたスローバラードで、ピンスポットに照らされながら、アツくソウルフルな歌声を響かせて観客を圧倒した大野。続いてアコースティックギター1本をバックに披露したのは、斉藤和義のカバー「歌うたいのバラッド」。太くハスキーさのあるボーカルは実に聴き心地が良く、観客もただただ無言で彼の歌声に聴き惚れていた。
最後に、このままでは終われないとばかりに、「all at onceさん、キャモン!」と二人を呼び込んだ大野。『名探偵コナン』の音楽に参加させてもらえて光栄だと話す大野から、「どんな曲ですか?」と話を振られたNARITOは、「夢や目標を追いかける中、行き詰まってしまうことはあるもの。そんな時、誰かを頼ってもいい。背中を預けることで道が開けることもある。そんな歌です」と説明。そして曲フリ担当を決めるジャンケンでITSUKIが選ばれると、「本日初披露です。
「プレイメーカー feat.大野雄大(from Da-iCE)」は、今までのall at onceには無かった打ち込みのサウンドとクールなボーカルが印象的な楽曲で、大野という色が加わったことで新たな扉が開かれた楽曲。終始笑顔でステージを楽しんでいるといった雰囲気の3人は、折り重なったり離れたりしながら縦横無尽にボーカルとコーラスワークを聴かせ、時にはシャウトやフェイクも繰り出した。そのやりとりは、まるで最初から3人組だったかのように息ピッタリで、NARITOが話した通り、お互いを信じて背中を預け合っているからこそ成立しているのだろうと感じた。初披露とは思えないジャムセッションのような奇跡のコラボレーションに、観客も全身全霊のクラップでそれに応えた。
all at onceにとって、3度目となる『名探偵コナン』のテーマソング。
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Text by 榑林史章/Photo by 高田梓