クルマはやっぱり3ペダルだろ、という人にうれしいお知らせです。EV化に邁進するポルシェから、MT仕様の911が登場したというので、ボクサー6(水平対向6気筒エンジン)をMTで操る歓びを体験してきました。
7速から6速へ! 刷新された「992型・後期モデル」のMT仕様
「え? 前もあったのでは?」と思われるかもしれませんが、ありました。もちろんASCII.jpでも紹介しています(ポルシェ「911」でイチバン楽しくて買いなモデルはカレラTと断言したい!)。
ですが、以前紹介したのは992型の前期型。今回のモデルは992型の後期型なのです。
「いやいや、前期型とか後期型の違いがあったとしても、似たようなモノでしょ?」と言われそうですが、何が違うかといえばトランスミッションが7速から6速へと刷新しているのです!
992の後期型ですが、最大のトピックスはハイブリッド化であることに異論を挟む余地はありません。ASCII.jpでも筆者の一般道レポートのほか、西川昇吾氏によるサーキットレビューも掲載。昨年末のカー・オブ・ザ・イヤーでも「2025-2026 テクノロジー・カー・オブ・ザ・イヤー」を受賞するなど、911のハイブリッド化は大きな出来事だったのです。
・ポルシェ「911 GTS」のハイブリッドに911のSDGsを見た!
・え、これがハイブリッド!? ポルシェ「911 GTS」が“速さ”の常識をぶち壊しにきた!
ハイブリッド化された911は、911ターボに肉薄する性能ながら街乗りの快適さ(911としては)も獲得。やはり最新のポルシェは最高のポルシェであることを実証しました。ですが技術としては正しくても、運転の楽しさは別の話。
やっぱり左足と左手を動かさないとクルマは面白くないという人に向けたのが、本稿で紹介する911 カレラTの6MT仕様車というわけです。
911 カレラTはどんなクルマかというと、標準グレードから遮音板や断熱材を減らし、ガラスを軽くして、さらに後席も取っ払うなど、ドンガラとまでは言わないまでも徹底した軽量化モデル。ちなみに無償オプションで後席を取り付けてくれるようですが、走りを楽しみたいならナシを選ぶのが本道でしょう。
そして、今回のカレラTからAT設定がなくなりました。その代わりに用意されたのが、なんとカブリオレ。オープンエアーの911をMTで楽しむなんて、最高のぜいたくではありませんか。「いやいや、ポルシェでオープンエアー&MTならボクスターがあるだろ」と突っ込まれそうですが、予定通りなら次のボクスターはBEV(電気自動車)です。よって今後オープンでMTが楽しめるポルシェはカレラTのみ、ということになるかもしれないのです。
そんなカレラTの価格は2060万円! カブリオレモデルにいたっては2262万円!(2026年5月現在)。これにオプションを付けると、都内近郊の中古マンションが買える金額に……。いやはや、ぜいたく極まりありません。
394馬力のボクサー6と
こだわりの木製シフトノブ
ボディーサイズは全長4545×全幅1850×全高1290mmで、ホイールベースは2450mm。車重は1510kg。前モデルと比べると全長が15mm伸長するも、全幅が2mm短縮。全高が3mm下がりました。ノーマルのカレラよりも10mmほど車高が低くなっているのは同様のようです。
室内を見ると、スタートスイッチが押しボタン式になったことと、フルLCDメーターになったことなど、992後期型の特徴を全て引き継いでいます。
そして、MTのシフトノブは木製! 金属製だと夏は暑くて触れないのですが、木製ならそれほどアチアチにはならないのが良いところ。「だったらハンドルも木製にしてくれれば」とも思ったのですが、こちらは革製で、オプションでも設定はない様子。手汗で滑るとか色々あるのでしょう。
相変らずエンジンの姿を拝むことはできませんが、3L 水平対向6気筒ターボを搭載。最高出力は394馬力、最大トルクは45.9kgf・mと強力です。ちなみに前期型の最高出力は385馬力でしたので、約10馬力パワーアップしています!
街乗りは苦行!? スパルタンな乗り味と
MTで911を操る至福
エンジンをかけると、背中から盛大な音が聴こえてきます。これがどのくらい大きいかというと、助手席の人との会話が少し難しいほど。前のカレラTも結構な音が聴こえましたが、さらにアップした印象。この音だけで、かなりスパルタンかも、という印象を受けました。
それは見事に正解で、走り始めると衝撃が容赦なく体に襲い掛かります。まるでカートのよう。これにクラッチ操作が加わるのですから、都内の幹線道路を走るのは苦行以外の何物でもありません。
さらに心が折れるのが、クラッチのミートポイントがかなり奥にあり、半クラッチが結構大変。「ドイツ人って足が長いのか」などとボヤきたくなります。しかも、1速でも存外に速くて、車庫入れ時は切り返しのときなどに結構ドキドキしてしまいます。
一方で優しい部分があるのも事実。まず坂道発進ですが、電子サイドを使えば、左手を動かすことなく、ゆっくりとした操作でも発進可能です。ヒルアシストを使うより、こちらの方が確実です。
また、オートブリッピング(自動的にアクセルをあおってくれる機能)が用意されていますのでシフト操作時にガクガクしません。これらのお助け機能はオンオフが選べるので、MT操作に慣れていない時はアシストをオン。慣れたらオフにするといったステップアップの楽しみがあります。つまり初めてのMTでも、安心して運転が楽しめるというわけです。
【まとめ】「苦労は買ってでもしろ」を地でいく911 カレラT
ATにはない、自分で911を操るという歓び。MTで乗って、初めて911の素晴らしさがわかるように思います。よくポルシェは精密機械にたとえられますが、これは自分で動かして一層理解できるというもの。これが911 カレラTの価値です。
高いお金を払って、日常の不便さ/不満を買うといっても過言ではないでしょう。ですが、せっかく911に乗るのですから、非日常を味わいたいじゃないですか。そう考えると、911 カレラTは現在売られているクルマの中で最もぜいたくなクルマといえるかもしれません。
もし筆者が911を買うとしたら、絶対にカレラTを選ぶことでしょう。日常の不便さ、不満なんて、911を操る歓びの前では大したことないのですから。
■関連サイト









![日清食品 ラーメン山岡家 醤油ラーメン [濃厚豚骨スープの旨みが広がる] カップ麺 117g ×12個](https://m.media-amazon.com/images/I/51YlvYcaKyL._SL500_.jpg)

