この画像はハッブル宇宙望遠鏡がとらえたもので、棒渦巻銀河NGC 3783が映っています。NGC 3783は、ケンタウルス座の方向、約1億3000万光年の距離にあります。

NGC 3783は、自らの名を冠したNGC 3783銀河群に属する銀河です。NGC 3783銀河群には、47個の銀河が含まれています。

画像の主役はもちろんNGC 3783ですが、その右下にある明るい星も目立っています。この星HD 101274は、私たちの天の川銀河にある星です。地球からの距離は約1530光年で、NGC 3783と比べると8万5000分の1ほど近いところにあります。それほど近いため、多くの星の集合体である銀河よりも輝いて映っています。

NGC 3783は、セイファート1型と呼ばれるタイプの中心領域が明るい活動銀河です。画像には明るい銀河中心や中央の棒状構造、そして螺旋を描いた渦状腕やその腕に沿った塵などが、ハッブル望遠鏡の鋭い視力によって鮮明に映し出されています。

ハッブル望遠鏡で明るい星などの点光源を撮影すると、右下のHD 101274のように放射状に光の筋が現れます。これは「回折スパイク」と呼ばれるもので、望遠鏡の構造に由来して生じます。ふつうは銀河では回折スパイクは生じませんが、NGC 3783の中心部をよく見ると回折スパイクが生じているのがわかります。

画像はハッブル望遠鏡のWFC3(広視野カメラ3)で撮影されたもので、ハッブル望遠鏡の「今週の1枚(Picture of the Week)」として2024年4月15日に公開されました。

Image Credit: ESA/Hubble & NASA, M. C. Bentz, D. J. V. Rosario

(参考)「ハッブル今週の1枚」記事一覧

(参照)ESA/Hubble

大きな画像はオリジナルサイト(アストロピクス)をご覧ください。