両備システムズは2025年にバングラデシュ人民共和国(以下 バングラデシュ)で実施したAWD農法の実証において、生産性20%以上の向上およびメタン排出量約30%削減の成果を確認しており、同国の稲作における温室効果ガス削減に向け、AWD農法の普及拡大を現在も継続的に進めています。
こうした取り組みを進める中で、水管理の効率化や精度向上、排出削減量の把握・検証(MRV)、および農家が継続的に取り組むためのモチベーション維持が課題であることが明らかになったことから、本事業ではこれらの課題に対応するため、水管理の高度化やMRV負荷の軽減に加え、デジタル通貨を活用した環境価値還元の仕組みづくりに取り組みます。
(※1)東京都「グローバルサウスのGX促進プロジェクト」( https://globalsouth-gx.jp/ )=東京都が、脱炭素化に資する技術を持つ都内企業の海外展開を支援し、グローバルサウス諸国の課題解決と企業の成長を後押しするプロジェクト。
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両備システムズとソラミツCBDC、AWD農法普及とデジタル通貨による環境価値還元モデル構築事業が東京都「グローバルサウスのGX促進プロジェクト」に採択
●背景
バングラデシュは、農業を主要産業の一つとする世界有数の稲作生産国です。一方で、農業技術の遅れや農家の財政的制約、営農指導や農業機械の支援不足などにより、生産性の向上や農家所得の安定的な向上が課題となっています。
こうした中、AWD農法は、水田において水を満たした状態と水を落として干した状態を繰り返す水管理技術として、節水や収量向上に加え、土壌から発生するメタンガスの抑制が期待されるなど、温室効果ガス排出削減に有効な手法とされています。
一方で、両備システムズが2025年より実施してきたAWD農法の実証(※2)を通じ、広域普及に向けては、水管理の省力化・高精度化、排出削減量の効率的な把握・検証、および農家が継続的に取り組むための経済的インセンティブの設計が課題であることが明らかになりました。
特に、作業負担の軽減と精度を両立する水管理の実現や、ガス計測に依存しない排出削減量算定手法の確立、ならびに環境価値を農家へ適切に還元する仕組みの構築が重要となっています。
ソラミツCBDCのビジョンは、デジタル技術によるGX/DXの推進および様々な社会課題の解決です。これまでも、カンボジア、ラオス、パキスタン、ソロモン諸島、パプアニューギニア、パラオなどの海外6カ国の社会課題を、日本政府の内閣官房・経済産業省・財務省などと連携し、GX/DXの推進や地政学上の課題・経済安全保障などの方針を共有しながら事業を進めてまいりました。ソラミツCBDCの最先端の技術と各国への導入実績は、大きな優位性になっております。AWD農法の推進とデジタル通貨の導入は、脱炭素推進のみならず同国の経済発展にも大きく寄与し、本事業の社会的意義は極めて大きいと確信しております。
(※2)プレスリリース2025.03.06: https://www.ryobi.co.jp/news/2025/20250306
●本事業の取り組み内容
・実施期間:2028年3月末日まで(※3)
(※3)本事業では、まず初期調査・フィジビリティスタディを実施し、その結果を踏まえて実証・事業化フェーズへの移行を検討します。
・実証規模:初期調査・フィジビリティスタディでは、水管理インフラの試験的設置およびデータ取得体制の構築を進めます。実証・事業化フェーズに進んだ場合には、対象地域・参加農家を段階的に拡大する予定です。
現地の中央銀行などの政府機関や金融機関などと、デジタル通貨の発行・管理に向けた検討および環境価値として参加農家に還元する場合の課題整理、システム設計、運営方法検討などに関する調査を実施します。併せて、市中銀行や資金移動業者などのエージェントとのヒアリング調査を実施し、現地の決済手段との比較やこれらとの連携・接続を含む具体的なシステム構築プランを検討します。
1. 省力・高精度な水管理手法の実証
日本の自動水門・水位計とAI画像解析を組み合わせ、AWD農法に必要な水管理の省力化・高精度化を検証します。水位計の画像をAIで解析し、水位状況を判定することで、必要に応じて水門操作のタイミングを通知し、農家の作業負担の軽減と正確な水管理の両立を図ります。
なお、実証・事業化フェーズに進んだ場合には、自動水門20カ所以上、水位計等の計測機器100カ所以上の導入を目標に、水管理DXの段階的な展開を検討し、AWD農法の普及に貢献してまいります。
2. モデルベースJCM方法論の検討・検証
AWD農法の拡大に伴い、温室効果ガス排出削減量を測定・報告・検証するMRVの負荷軽減が重要となります。本事業では、ガス計測に依存しないモデルベースJCM方法論の検討・検証を進め、水管理、土壌、気象、営農プロセスなどのデータを活用した排出削減量の把握を検証します。
3. デジタル通貨による環境価値還元モデルの構築
AWD農法への参加農家が継続的に取り組めるよう、創出される環境価値をデジタル通貨により還元する仕組みの構築に取り組みます。ブロックチェーン技術を活用することで、還元履歴の透明性を高め、参加農家への確実な価値移転を図ります。従来の現金による還元における透明性・確実性の担保の難しさ、既存の決済手段における手数料等に課題がある現地の状況を踏まえ、政府機関と連携し、ブロックチェーン技術を活用したデジタル通貨による環境価値還元の実証および基盤構築を行います。
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デジタル通貨による環境価値還元モデル
●体制と役割
本事業では、ソラミツCBDCが代表申請者として、プロジェクト全体の推進およびデジタル通貨システムの構築、環境価値の管理・還元を推進します。
両備システムズは共同申請者として、これまでバングラデシュで実施してきた実証事業の知見を活かし、AWD農法の指導・教育をはじめ、水管理のDX化、農業データプラットフォームの構築、ならびにカーボンクレジット創出に向けたデータ活用を推進します。
また、バングラデシュ稲研究所(Bangladesh Rice Research Institute(略称:BRRI))、ダッカ大学、現地政府機関、マイクロファイナンス機関、参加農家等と連携し、温室効果ガスの計測・分析や脱炭素に関する研究、現地運用体制の構築、デジタル通貨活用に向けた検討を進めます。
●今後の展望
本事業では、初期調査(マスタープラン・FS)を通じて基盤の整備と各種検証を進めた後、実証・事業化フェーズにおいて対象地域および参加農家を段階的に拡大し、持続可能な運用モデルの確立を目指します。
あわせて、水管理DXと環境価値還元を組み合わせた本モデルをバングラデシュ国内で展開するとともに、他地域・他国への応用も視野に入れ、グローバルサウスにおける農業の脱炭素化と経済発展の両立に貢献してまいります。
両備システムズおよびソラミツCBDCは、これらの取り組みを通じて、ICTとデジタル通貨を活用した新たな農業GXモデルの確立と社会実装を推進してまいります。
【ソラミツCBDC株式会社について】
社名 : ソラミツCBDC株式会社
本社所在地: 東京都渋谷区千駄ヶ谷5-27-5 リンクスクエア新宿16F
代表者 : 代表取締役社長 武宮 誠
設立 : 2024年3月
資本金 : 5百万円
事業内容 : 情報通信技術を活用したGX、DX事業
ブロックチェーンを活用した、中央銀行デジタル通貨(CBDC)、
ステーブルコイン、デジタル通貨、貯蓄国債システムなどの
構築・コンサルティング
コーポレートサイト: https://soramitsu.co.jp/ja
【株式会社両備システムズについて】
社名 : 株式会社両備システムズ
本社所在地: 岡山県岡山市北区下石井二丁目10-12
杜の街グレースオフィススクエア4階
代表者 : 代表取締役上席執行役員COO 小野田 吉孝
設立 : 1969年12月
資本金 : 300百万円
事業内容 : 公共、医療、社会保障分野および民間企業向け情報サービスの提供
(システム構築、アウトソーシング事業)、ソフトウェア開発、
データセンター事業、ネットワーク構築サービス、セキュリティ事業、
ハードウェア販売および保守サービス、AI・IoTなど先端技術研究開発
コーポレートサイト: https://www.ryobi.co.jp/