21年のAndroidスマホの月別シェアは、常にシャープがトップを走っていた。サムスンは5月と10月、OPPOは7月と8月にシェアを伸ばしたほか、4位のソニーは11月に20%に届きそうなほど急伸長したが、シャープは9月と10月を除き20%以上のシェアを保ち好調に推移した。人気を支えているのは、エントリーからミドルレンジをカバーする「AQUOS sense」シリーズだ。
Androidスマホの機種別で売れ筋No.1となったのは「AQUOS sense4 basic」。2位はFCNT(旧富士通コネクテッドテクノロジーズ)の「らくらくスマートフォン」、3位は「AQUOS sense3 basic」と、2万円~4万円台のコストパフォーマンスを重視したモデルが人気を集めた。
ビックカメラ 新宿西口店で携帯電話コーナーを担当する持齋繁宏主任は「リモートワークに切り替わってきたので、30~50歳代のユーザーが仕事用のサブ端末として購入するケースが増えてきた。仕事で使うので高性能モデルは求めず、価格を抑えることを意識している」と、現在のニーズについて説明する。
コスパを重視するユーザーが求めるスペックについては、“使い勝手”を重視する傾向がある。水気の多い台所や洗面所で安心して使える防水・防じん性能、移動や買い物を快適にするFeliCa対応などがチェック項目だ。
ただ、価格を抑えれば抑えるほど、性能での比較は難しくなっていく。そうした中でもシャープが人気を集めるワケは、ブランド力と必要十分な使いやすさにある。「液晶テレビでAQUOSを知っているという人は多い。日本のブランドということで応援・支持する機運もある」(持齋主任)と話し、永年培った安心感が購入につながっていると分析する。
性能については、機種別で21年の販売数量No.1となった「AQUOS sense4 basic」は、4,570mAhの大容量で長持ちのバッテリと、省エネ性能が高い約5.8インチIGZO液晶ディスプレイを搭載。同製品は20年に発売した。防水・防じん・耐衝撃などを備え、例えば仕事以外にも、「台所でレシピを見ながら料理」といった便利な暮らしを実現できる。後継機としては、21年11月に「AQUOS sense6」が登場している。
その思想を引き継いでいると期待を集めるのが、22年1月に売り出した「AQUOS wish」だ。約5.7インチの画面はHD+に対応。
一方、価格よりもスペックを求めるユーザーは、カメラ性能やディスプレイの画質、処理能力の高さを追求する。なかでも10万円以上のモデルを購入するユーザーの多くは、メーカーのファンであったり、以前から同じブランドの製品を購入していたりと、あらかじめ何を購入するか決めてから来店する傾向があるという。高価格帯では、XperiaやGalaxyといったブランドも人気がある。特化した機能やユニークなデザインが好評だ。
ソニーのハイエンドモデル「Xperia 1 III」は、同社のデジタル一眼カメラαシリーズの技術を駆使したカメラに加え、世界初となる4K 120Hz HDR対応の約6.5インチ有機ELディスプレイが特徴。とくにカメラ機能は、リアルタイムトラッキングやリアルタイム瞳AFで、動く被写体もキレイに撮影できる。
2月~3月は新生活に向けて家電を購入する人が多いシーズン。徐々にスマホ市場が盛り上がりはじめ、新生活の準備が整った4月にはピークを迎える。“手ごろな値段でもしっかり使える”という難しいニーズに応えるシャープが6年連続のNo.1に輝くのか、挑戦はすでに始まっている。
*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計しているPOSデータベースで、日本の店頭市場の約4割(パソコンの場合)をカバーしています。
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