今や現代病とも呼ばれる花粉症。今回は花粉症の症状のひとつアレルギー性皮膚炎にも効くと言われるタイの伝統医療「ハーブボール」をヨガトラベラー・土屋愛が実際にタイで体験して学んだ本場の作り方を伝授します。
■アレルギー性皮膚炎にも効くハーブボールを作ろう!

みなさん、こんにちは。ヨガトラベラーの土屋愛です。

今年も花粉症の時期になりましたね。私は、数年前まで酷い慢性蕁麻疹(じんましん)と花粉症に悩まされ、毎日、抗ヒスタミン剤を摂取していました。習慣的なヨガの実践や様々なデトックス法、体質改善法を試したことで、今では慢性蕁麻疹はすっかり完治しました。花粉症はまだ完治したというわけではありませんが、毎年顔までボロボロになってステロイド軟膏を使用していた頃と比べると、今は薬ナシで乗り切れるようになっています。

さて、花粉が本格的に飛散し始める時期ということで、今回はタイ・チェンマイで学んできたアレルギー性皮膚炎にも効く “ハーブボール” の作り方を皆さんにシェアしていきたいと思います。

■タイの伝統医療【ハーブボール】とは?

ハーブボールは、タイで400年以上前から使用されているタイの伝統医療です。様々なハーブを刻み、すり鉢でほどよく潰し、薄い布に包んで蒸すことで、ハーブの成分を蒸発させ布に染み込ませます。切ったばかりのハーブが持つフレッシュなエッセンシャルオイルを治療に使うことができるという点が特徴です。蒸された暖かいハーブボールは体を温めてくれます。

~ ハーブボールの主な効果 ~

・アレルギー性皮膚炎の改善

・血管拡張

・肌色・血色の改善

・腹痛の改善

・筋肉・関節痛の改善

・腫れの改善

・アザを薄くする

・ゲップを止める

様々な効果を持つハーブボールは炎症を抑え、自然治癒力を高めてくれるのはもちろん、ハーブボールでマッサージすると筋肉と筋(スジ)が緩み、体がリラックスした状態になります。

また、ハーブの匂いは腹痛やお腹のガスを軽減させる働きもあるそう。タイマッサージの前後に使用すると、マッサージの効果をさらに高めるとも言われています。

■使用するハーブは全部で6種類!

タイでは簡単に市場で手に入るハーブも、日本ではなかなかそうはいきません。今回は、実際にタイで使用したハーブと、日本でも手に入れることができるハーブや代用として使えるものを一緒に紹介していきます。

・Zingiber/Plai 500g・・・プライと呼ばれるショウガ科の野菜。抗炎症作用があり、捻挫や筋肉痛、喉の腫れや風邪に効果アリ。

生姜で代用可能。

・ターメリック/ウコン100g・・・粉末状の物はよく見かけますが、ハーブボールでは生のウコンを使います。抗菌性が高く、皮膚の痒みや炎症を持つ傷、そして肌の血色に効果アリ。インターネットで入手可能。

・こぶみかん 100g・・・葉と実、どちらも使うことができます。めまいや筋肉のコリ、乾燥肌や痛んだ髪、フケにも効果アリ。

インターネットで入手可能。また、ライムやかぼす、すだちでも代用可能。

・レモングラス 200g・・・コリを緩め、真菌やバイ菌などによる皮膚炎に効果アリ。根と葉、どちらも使います。

・タマリンドの葉 100g・・・ミャンマー料理やタイ料理によく使われる葉っぱです。皮膚のクレンズと治療に良いとされていて、茎から葉を取り除き、葉のみを使います。

インターネットで入手可能。

・塩 60g・・・ハーブを皮膚に吸収させる手助けをしてくれます。食卓塩ではなく天然塩をご用意ください。

・カンファー(樟脳 / クスノキ) 30g・・・クスノキの精油の主成分である結晶ですが、こちらは入手が難しいのでエッセンシャルオイルで代用可能です。とても強力な天然の防腐作用を持ち、心臓、神経痛、関節痛、そして喘息や鼻炎に効果アリ。

・メンソール 30g・・・結晶の物をご用意ください。

胃腸内のガスを排出させ、心臓、お腹、肌にも効果アリ。インターネットで入手可能。

・パンダンリーフ少量・・・抗うつ効果があると知られており、膀胱炎や風邪、咳に効果アリ。インターネットで入手可能。

・薄い布 ・紐 ・すり鉢、もしくはボール ・めん棒

材料が揃ったらいよいよハーブボールを作っていきます。

■潰す・刻む・乗せる・包む!作り方はシンプルでカンタン!

では、さっそく作り方を紹介します。といっても、難しい作業は一切なく、とてもカンタンです。

—— 作り方手順とハーブの分量 ——

① プライ・ターメリック・レモングラス・こぶみかんを刻み、成分が蒸発しやすいようにすり鉢とめん棒で潰します。ハーブを切る大きさですが、みじん切りほど小さくする必要はなく、親指の爪くらいの大きさに切ってください。あくまでも目的はハーブの成分を蒸発させ布に移すことなので、神経質に形まで気にする必要はありません。こぶみかんを切る時に汁が出ますが、絞る必要はありません。

② タマリンドの葉を茎から取る。インターネットでは葉だけの販売もあるようです。

③ パンダンリーフを刻む。潰す必要はありません。

④ 布の上にハーブを乗せてよく混ぜる。

⑤ 布をてるてる坊主を作るように丸めて、紐で縛る。

⑥ 持ち手の部分は布先を中に折り曲げて棒状にして紐で縛る。

~ 分量 ~

・プライもしくは生姜・・・茶碗1杯

・レモングラス・・・茶碗0.5杯

・ターメリック・・・少量

・こぶみかん・・・少量

・タマリンド・・・小さめの一掴み

・パンダんリーフ・・・一掴み

・カンファー・・・数滴

・メンソール・・・少量

・塩・・・少量

ハーブを包む分量は、細かく正確に量るというよりは目分量でした。実際に先生が布に乗せてくれた分量については、YouTubeの動画でも確認できますのでそちらもぜひ参考にしてください。

※肌の弱い方は、カンファーとメンソールを少量にしてください。何度か作るうちに自分に合った配合を見つけることができると思います。■血行改善による温もりとメンソールの清涼感でスッキリ

ハーブボールが完成したら二つのハーブボールを10~15分ほど蒸します。使用する前には必ず手のひらや前腕で熱さを確認してください。蒸しあがった直後は熱くなっていますので、ポンポンとリズミカルに軽く皮膚に押して当ててください。

ハーブボールが適度な温度にまで下がったらマッサージしたい箇所に5秒ずつボールを押し付け、体重をかけてじっくりマッサージします。ハーブボールは約10分程度で温度が下がってしまうので温かみを感じなくなったら二つ目のハーブボールに持ち替えて、あわせて約20分間トリートメントしてください。

注意事項としてヤケドには十分に気をつけてください。また、出血がある傷には使用できません(塩とメンソールを使用しているため、恐ろしく滲みるはずです)。 ハーブボールを使った後は最低でも2時間はシャワーを浴びたりお風呂に浸かることは控えるようにしてください。

ハーブボールを押し当てた箇所は、じんわりと血の巡りが良くなり、メンソールの効果でとても清涼感を感じられます。温かさがありながらもスッキリ。オイシイとこだけ丸取りです。

花粉の時期になると顔や首がカユくなる方にとてもオススメなトリートメント。皮膚、そして肩こりや腰痛にも効果があるのでぜひ試してください。

このハーブボールは使用後、繰り返し使うことができます。水で洗う必要はなく、一度使用したら完全に冷めるまで待ち、袋に入れて冷蔵庫で保存してください。2、3度使用することが可能です。

■手間と時間、労力をかけた分、体質も根本から改善!

そして最後に、この記事を読んで興味はあるけど、自分では作る気が起きないあなたへ(笑)。ハーブボールはオンラインでも買うことができます。取り扱っている会社の中には、タイから直輸入している商品もあるとか。もし購入するのであれば保存料などケミカルな材料を使っていないかを確認することをオススメします。

正直、ハーブボールを一から作ることよりもオンラインで購入したほうが簡単ですし、花粉症の時期は薬を飲むほうがよっぽどラクです。ですが、薬は症状こそ抑えてくれるものの、アレルギーを根本から改善してくれるとは言えません。ハーブボールのような自然治癒力を高めるトリートメントは、即効性や劇的な変化をすぐには期待できませんし、手間も時間もかかります。ただ、その労力をかけた分、今までに感じたことがないほど体質は改善されていきます。長期的なスパンで捉えることで、自分自身への有効的な投資になると思います。

それではまた近いうちお会いしましょう。

「ナマステ !」