元祖鉄道アイドル、今は「鉄旅タレント」として鉄道をアツく語る、木村裕子が日本各地の魅力的な路線を紹介する“女子鉄ひとりたび”(『女子鉄ひとりたび』著・木村裕子より)。西九州のドラマチックな旅を終え、裕子の新たな旅行先は沖縄本島。

沖縄と言えば、かつては県営鉄道が縦横に走っていた歴史が残っているが、現在は唯一、ゆいレールがあるだけ。一見、鉄道には縁が薄いように思える場所で、彼女は何を見つけたのか? 乞うご期待……!



■那覇までの航空券が1980円? こりゃ~行かなきゃ負けっしょ!?

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《沖縄都市モノレール~ゆいレール》格安航空券でわざわざガチで乗りに行ってきた日本最南端の駅【女子鉄ひとりたび】26番線



 飛行機もバスもフェリーも、私にとって敵ではない。鉄道だけじゃなく、動く乗り物すべてが好きだ。



 幼少期のころは三輪車にハマっていた。



 そして、動く乗り物の宝庫である公園は、私にとってパラダイスだった。特にブランコが好きで、小さな体に受ける体感速度は時速300キロの新幹線のように思えた。



 そのころの楽しさが大人になった今も忘れられず、人目の少ない深夜に、しばしばブランコを漕ぎに行くこともある。それで職務質問に2回も遭ったけど……(笑)。



 父親が長距離トラックの運転手をしていたことから、助手席にはよく乗せてもらっていた。そのときの流れる景色が好きだったのも、乗り物好きになった要因かもしれない。



 そのためLCC(格安航空)も夜行バスも、乗り鉄の旅では積極的に取り入れている。



 特にLCCを乗り鉄の行程に取り入れると、ものすごい武器となる。



 青春18きっぷシーズンは、都内の自宅から羽田空港(浜松町・品川)・成田空港までJRで行って、飛行機で地方へ飛び、そのまま現地でもこのきっぷを使うと、最大限の有効活用ができて勝ち組になったような達成感がある。



 あるとき何気なくLCCのウェブサイトを見ていると、セールで平日の成田~那覇は間が片道たったの1980円だった。



 これは「行かないと負け」のような気がして、即、往復購入。新幹線も大特価セールがあったらいいのにな、と思う。



 平日旅ができるのは、自由業の特権だ。衝動買いができたのもスケジュール調整がしやすいタレントならでは。

さらに私の場合、



「乗り鉄へ行きたいから、1週間お休みをください」と言っても、
「いいね! ネタ仕入れも兼ねて行ってらっしゃい」
と、一般的にはありえない申請なのにむしろ歓迎されて通ってしまう。



《沖縄都市モノレール~ゆいレール》格安航空券でわざわざガチで乗りに行ってきた日本最南端の駅【女子鉄ひとりたび】26番線



 そのおかげで、ついに未乗区間だった沖縄都市(おきなわとし)モノレール・愛称ゆいレール乗りに行けることになった。



 沖縄の観光雑誌を読みあさり、出発の日を指折り数えていた。



(27番線へ続く)