どうも、えらいてんちょうと申します。
令和の時代が始まって1ヶ月、どちらかと言えば暗いニュースが多かった気がしますが、6月に入ったところで芸能界からおめでたいビッグサプライズなニュースが入りましたね。
山里さんといえば芸能界きっての「非モテ」キャラ。かたや蒼井優さんは一流女優でありながら数々の男性と堂々と交際宣言をしてきた「恋多き女」としても知られています。第一報を伝えたスポーツ紙の論調や、その夜に行われた記者会見の2人に対する質問も、基本的にはこのキャラクターを踏まえたものが多かったように思います。「非モテ男性に勇気を与える快挙」という表現もよく見ました。
いっぽう、ネット上では「山ちゃんってああいうキャラだけど、身長は178センチあるし、関西大学出身で高学歴だし、面白いし、仕事もできてお金持ちの超ハイスペック男性。蒼井優ちゃんが選ぶのもよくわかるわ」という書き込みも多く見られました。それに続けて、「お前らと山ちゃんは全然違うんだから、ゆめゆめ自分も蒼井優ちゃんみたいな子と結婚できると思うなよ」なんて意見も。
もちろん蒼井優さんが魅力的な女性であり、山里さんはハイスペック男性であることは間違いないのですが、この2人が結婚に至った理由はそれだけではないはずです。なぜなら、蒼井優さんがこれまで交際を公言してきた男性たちも軒並みハイスペック男性であり、山里さんのスペックもまた、昨日今日急に高くなったわけではないからです。
当然、「非モテキャラ」とされている山里さんと実は結婚したいと思っていた女性もこれまでにたくさんいたはずなのです(山里さんの好みには合わなかったので「非モテ」と言っていたのでしょうが)。
私が記者会見や情報番組の映像を見て感じたのは、この2人が醸し出す何とも言えないしっくり感、安定感、信頼感のようなものでした。
山里さんは話すのが専門の仕事ですので、会見は基本的には山里さんがメインでお話をされていましたが、言葉に詰まったときにスッと二人で寄り添って小声で話す感じも、山里さんのギャグにニコニコと笑う蒼井さんも、なんとも素敵でした。もちろん、蒼井さんの友人であり、山里さんにとっては南海キャンディーズの相方であるしずちゃんがその場にいたことも大きかったことでしょう。しかしそれを差し引いたとしても、会見でお二人が語った内容は、間違いなくこのお二人が「かなり相性がいい」と確信できるものでした。そしてこの結婚会見は、いま「結婚できない」と悩んでいる人々に、多くのことを教えてくれるのではないかと思います。
私は、6月末に刊行予定の拙著『しょぼ婚のすすめ』(KKベストセラーズ)にも書いているのですが、結婚相手に絶対必須な条件は自分にとって「顔がいい」ことだと思っています。それは文字通りの顔の造作もふくめ、声や話し方、雰囲気や匂い、物事や金銭に対する価値観、あるいは日常生活の中のちょっとした動作。それらすべてをひっくるめたものを「自分に向けた顔」と定義するのです。
■要するに「イケメンかどうかは別として私は好き」かどうか二人のキューピッドとなったしずちゃんによれば、最初に蒼井さんに山里さんを紹介した理由は、蒼井さんに「山里さんの仕事に対する姿勢を尊敬している」と言われたからだそうです。芸人さんのサービストークですのでどこまで本当かはわかりませんが、少なくとも始まりは「(山里さんと蒼井さんが合うと思って紹介したわけでは)ない」ということだったのです。
ところが、記者会見で山里さんと結婚を決めた理由を聞かれて、蒼井さんは「一緒にいてしんどいぐらい笑わせてくれたり、人に対しての感動すること・許せないことのラインが一緒だったり、金銭感覚が似ていること、あと、冷蔵庫をちゃんとすぐ閉めること」と答えています。
そのあと山里さんにツッコまれて「優しい」も出てきましたし、会見の最後には「言い忘れてたんですけど、私は山里さんの仕事に対する姿勢を尊敬しています。
この4つが合うなら、それは居心地もいいだろうし、好きになるだろうと思います。そして女優として山ほどプロのイケメンを見てきた蒼井さんは、世間一般で言うイケメンかどうかなんかより、「自分に見せる顔」のほうがよほど大事だと知っていたんですね(ちなみに蒼井さんは山里さんのいわゆる外見について「メガネを変えるとかっこいい」。顔のパーツで好きなところは「変なところからヒゲが生えているところ」と答えています。決して絶世のイケメンと褒めてはいないのですが、これは要するに「イケメンかどうかは別として私は好きだ」と言っているわけで、ならばもう文句のつけようがないですよね)。
反対に山里さんは蒼井さんの好きなところとして、「蒼井優がいる!というドキドキが数分でなくなるぐらいに気さくに喋ってくれて、なんて優しいんだって。好きなものとか話も合うし。僕といるとすごい楽しいということを全力で伝えてくれる」「めちゃくちゃごはんもうまい、ジャンルから聞いてくれる」「いちばんキュンとするのは、みんなで飲んでいたときにいそいそと帰る準備をするから、どうしたの?って聞いたら『終電が……』って。タクシー乗ればいいじゃん、って言ったら『まだ時間があるから』」と答えています。これも「一緒にいて楽しい、生活の動作(料理)が好き、価値観、金銭感覚が合う」と、これまた「自分に見せてくれた顔」を挙げています。お互いが見事に一致しているんですね。
また、結婚指輪に関しては蒼井さんが「お断りしました。買ってくださるって言ったんですけど、私、大切な物は絶対になくすので、それだとしたら何かを一緒に経験することに使ってほしい」と言い、それに対して山里さんも「買えるんですけど、『もったいない』って。それが金銭感覚が似てるなって。じゃあ、指輪の代わりに好きなところに行って、楽しいっていう時間をくださいって」「相当素敵な指輪を(買うはずだったお金を)全部使い切る料金プランを」と述べています。
山里さんはめちゃくちゃお金を持っているはずですので、「そうは言っても記念だし、失くしたらまた買ってあげるから」と指輪をプレゼントする、という手段もあったと思うのですが、これまで彼の高スペックに惹かれて寄ってきた(であろう)女性たちとは違う蒼井さんの希望に、最高の答えで返してあげようとしているわけです。お似合いどころか、最高の夫婦だと思います。
結婚相手に求めるものとして、年収がどうとか、学歴がどうとか言う人は多いですが、年収がいくら多くても、学歴がいかに高くても、顔がどれだけ美男美女でも、一緒にいてストレスを感じるようならうまくいかないと思います。逆にどんな条件だろうと「二人でいる時間が最高に居心地が良い」という相手とは長続きするでしょう。山里さんと蒼井さんの初デートはドライブだったそうなのですが、「いい土手があったので二人で散歩した、緊張して手を握れなかったので、二人ともおじいちゃんとおばあちゃんみたいに後ろに両手を組んで歩いた」そうです。「初デートなんだから、高級レストランと高級ホテルで」という人ならば、「なんだか土手を歩かされて、ないわー」となるでしょう(それが悪いという意味ではありません、両人の価値観が一致していさえすれば過ごし方は何でも良いという話です)。
婚活しているけれども相手が見つからないという人、自分の本当の価値観、自分が相手にどんなことを求めているのか、ということをもう一度考えてみましょう。ひょっとしたら世間の常識に縛られて、余計な条件をつけたり、相手に多くを求めすぎてしまっているかもしれません。
ちなみに山里さんは「(蒼井さんは)笑っている姿が素晴らしいので、ずっと笑っていられたら。この世界でずっと『面白いね』と褒めてもらって、笑わせられたら」と言っており、蒼井さんは「私より山里さんのほうが仕事がないと生きていけない人だと思う。自分が与えていただいた仕事は精一杯やっていき、できるかぎり山里さんを支えたい」とも言っています。
山里さんの仕事は人を笑わせることですので、蒼井さんが山里さんを支えることによって、山里さんはもっと仕事を頑張って面白いことをたくさん言い、それを見た蒼井さんが「面白かったよ」と褒めてくれる、という見事な好循環が発生します。お互いがお互いを支え合う、という素晴らしい構図です。一方だけが我慢をさせられる生活というのはまず続きません。この点でも、この二人がお似合いであることがよくわかります。
さらに、顔といえばあの名シーン。蒼井さんの「魔性の女」性について質問された山里さんが「みなさんの目の前にいる蒼井さんと違う蒼井さんを僕は見せていただいているので。本当に純粋で、楽しいときには笑って、おいしいもの食べてる時は本当にコロコロ笑って。それですごく泣く。みなさんが思い描くのとちょっと違うでしょ。
最後にもう一つ、山里さんと蒼井さんの出会い方で、とても理想的でドラマチックだった部分を挙げたいと思います。それは、二人の出会いが山里さんの相方・しずちゃんの紹介だったということです。人からの紹介というのは最強の縁です。この人とこの人を会わせると喧嘩になるとか、どちらかに迷惑がかかる、みたいな人を紹介することは、紹介者にも信用というものがある以上、まずありません。それが結婚相手としてだとしても、友人としてもそうです。
ご存じの方も多いでしょうが、南海キャンディーズの二人は、ご本人たちも認めている通り、一時仲が険悪でした。そのキッカケは、M-1グランプリで準優勝し、まずそのキャラが注目されたしずちゃんが、2006年に映画「フラガール」に出演して好評を博して以降、本格的に女優業に力を入れたことです。また、しずちゃんはその恵まれた体格と運動神経からボクシングでオリンピックを目指すことになり、また山里さんがしずちゃんの予想外の方向での活躍に嫉妬したこともあり、コンビとしての仕事はほぼなくなっていました。
2015年、ボクサーを引退したしずちゃんが、深夜の山里さんのラジオにゲスト出演して、二人でこれまでのことをとことん語り合い、翌年のM-1グランプリ決勝を目指してコンビを再始動することを決めたことが転機でした。徐々に関係は修復され、山里さんはしずちゃんの足を引っ張り続けたことを深く詫びました。
なんと劇的な展開でしょうか。コンビ仲が悪くなるキッカケとなった映画が、山里さんの謝罪によってコンビ仲が修復されると同時に、山里さんに最高の伴侶をもたらしたのです。
自分の周りにいる人は大切にしたほうがいいですね。「悪いことをしたな」と思う相手には謝りましょう。そうすれば世間が狭くならず、ひょっとしたら素敵な人を紹介してくれるかもしれません。
山里亮太さんと蒼井優さんご夫妻、そしてこれを読んでいただいた「結婚したいあなた」の幸せを、心よりお祈りします。