役作りで山道を裸足で歩く!?
「ダンス」と「武道」の共通点とは
――映画「たたら侍」の出演オファーを受けたとき、どんなお気持ちでしたか?
小林 本当に嬉しかったです。自分にとって大切に思う日本の歴史を題材にした映画ということで、またとないような機会をいただけたと思います。
ーー錦織監督とHIROさん(EXILEリーダー)が意気投合し、「日本が持つ本物を世界に見せたい」という共通の思いから生まれた映画だそうですね。
小林 当初はHIROから「LDH(EXILEの所属事務所)の人間を使わないでほしい」という要望を出したそうなんです。でも錦織監督が「青柳翔さん主演で撮りたい」「AKIRAと直己だけはお願いしたい」と言ってくださり、それでオファーをいただいたという流れなのですが、ありがたかったです。
――小林さんにとって初の映画出演となったわけですが、どのような心構えで臨まれたのでしょうか。
小林 津川雅彦さんや豊原功補さんといった俳優の方々と共演させていただけるとのことで、緊張すると同時に失礼のないよう、少しでも「太刀打ち」ができるように、準備をしてから臨もうと思いました。
ーー小林さんが演じられたのは主人公の幼なじみである「新平」でしたが、どういう役作りを?
小林 僕は今までダンサーとして、「身体を動かして表現する」ということを長くやってきました。その中で、何かを作り込む時は『実際に体感しないと分からない』という考えを持つようになったんです。そこで、まず出雲という土地を体感するために何度も現地へ行き、山の中を裸足で歩きました。

侍は刀を抜かないーー。問われて出した自分の答え
――映画の見どころや、特に注目して欲しい部分は?
小林 舞台は戦国時代、タイトルが「たたら侍」ですが、主人公たちは侍ではなく百姓側の人間というところでしょうか。僕が演じる新平も、侍ではありません。職業としての侍ではなく、精神的な意味での「侍」を表現しており、作品の根幹に「侍とは何か」という問いかけがあると思います。
ーー小林さんにとって、侍とはどんな存在でしょうか?
小林 日本公開に先立って、モントリオールとルイジアナの映画祭で公開されたとき、外国の方に「侍は戦士なのか? 刀は抜かないのか?」と聞かれました。その場で日本人を代表して答えるような形になり、どう説明すればいいか考えてしまったんです(笑)。