今回も女優・有村架純に新たな「顔」を加えることとなった最新出演作について訊いた。
本誌初登場時には学生の年齢だった彼女も24歳に。
有村 仕事への気持ちも責任感もすごく変わりました。今は現場の一員になってスタッフさんたちと話し合い、時間を掛けて作品を作ることに本当にやりがいを感じています。
そんな彼女の最新出演作が時代劇映画『関ヶ原』。
有村 原田眞人監督の作品に出演できるのが嬉しい反面、初の時代劇で焦りと不安もありました当時と今では使う言葉も違い、言葉の意味も違うので台本を読むのにすごく時間がかかりました。関ヶ原の合戦の知識も、いただいた資料を読みながら、自分で関連作品の映像も見て勉強しました。
今回、映画の中で演じるのは石田三成に仕える忍び・初芽。短刀を武器、泥だらけになって激しいアクションを演じた。
有村 アクション担当の方にマンツーマンで指導してもらい、基本的な所作や殺陣、立ち回りの練習をしました。初芽には常に相手の急所を狙える洞察力があり、五感も研ぎ澄まされている。この時代に生きた人達は本当にスゴいなと感じました。
彼女が演じた初芽と主君の三成の間には恋心も生まれる。三成を演じた岡田准一とはいい距離感を保って演技をできたそうで…。
有村 私は初芽として現場にいたいと思っていたので、陰からそっと岡田さんを見守っている感じでした(笑)。初芽は伊賀者で、強くたくましい女性。各地を点々として生きてきたことで、人に情を持ってはいけないとも感じています。そこが寂しくて切ないし、「いつ死んでもいい」と思っていたはずです。それが三成さんに心を惹かれ、初めて「死にたくない」と思ったのだと感じました。