7月9日午後4時47分、解離性脳動脈瘤破裂によるくも膜下出血のため都内の病院で亡くなったジャニーズ事務所社長のジャニー喜多川氏。享年87歳。

先月18日に緊急搬送されて以来、さまざまな憶測が流れていたが、その約3週間後の訃報となった。

 ジャニー氏といえば、これまでフォーリーブスや郷ひろみ、たのきんトリオ、光GENJI、そしてSMAPやなど数多くの歴史に残る人気男性アイドル、グループを育て上げてきた。所属タレントやファン、そして世間の人々からも“ジャニーさん”の愛称で親しまれた、まさに唯一無二の存在だった。

 普段はジャニーズ事務所幹部に関する情報を取り上げないテレビ各局も、さすがにジャニー氏の訃報を詳細に報道。VTRで繰り返し取り上げたのも、所属する嵐メンバーや堂本光一(Kinki Kids)らによる“ジャニーさんのエピソード”の数々だった。

「ジャニーさんといえば『ユー、〇〇しちゃいなよ』という口癖に代表される、とても多くのアイドルを育てた大御所とは思えない親しみやすいキャラクター。

実際に普段も野球帽にブルゾンというファッションで、小柄で威圧感はまったくありませんね。とにかく自分がかわいがっている男性アイドルたちを育て、彼らを見ているだけでいい、という方です」(ジャニーズ関係者)

 芸能事務所の幹部といえば、多くの修羅場をくぐり抜けてきただけに、ときに威圧的とも感じられる“大物感”を漂わせている人も多い。ジャニーさんも芸能界の大物の一人なのは間違いないが、大物ぶっているという声は聞こえてこない。

「それはジャニーさんだけが許される、唯一のキャラクターだからでしょうね」と語るのは、ある芸能事務所幹部だ。

「“芸能界のドン”と称されるバーニングプロダクションの周防郁雄社長や田辺エージェンシーの田邊昭知社長らも、ジャニーさんには一目置いていましたよ。決して交流がないわけではなく、節目節目では会って交流を持っていました。

しかし周防社長や田辺社長のキャラクターとジャニーさんのそれとは、あまりにも違う。ジャニーさんは自分のところのタレントを育てることしか興味はありませんでしたが、他の事務所社長はもっと“男臭い”人たちですからね。だから、他の事務所幹部たちは愛嬌を込めてジャニーさんのことを“ジャニ子さん”なんて呼んでいました。おそらくジャニーさんの耳にも入っていたでしょうが、そんなことを気にするような人ではありませんからね。そういった意味でも本当に“芸能界の大物”だったのは、ジャニーさんだと思いますね」

 稀代の芸能事務所社長だったジャニーさんに合掌。

(文=編集部)