ジャニーズ事務所がSMAP元メンバーの香取慎吾、草なぎ剛、稲垣吾郎を出演させないようにテレビ局に圧力をかけた疑いがあるとして、公正取引委員会が調査を行ったと17日、メディアは一斉に報じた。各種報道によれば、独禁法に違反する事実は認められなかったものの、同法違反につながる恐れのある行為が認められたとして、事務所に対し注意したという。

 17日夜のニュース番組における扱い方に、民放各局のジャニーズに対する距離感があらわれた。TBS系の『NEWS23』はトップニュースに持ってきた。

SMAP解散騒動が沸き上がった直後の2016年2月、TBSは『中居正広の金曜日のスマたちへ』の番組名を『中居正広の金曜日のスマイルたちへ』に変更した。表向きは『<笑顔があふれる番組に…>…という想いを込めて番組タイトルを変更致しました』と発表しましたが、改編期でもない2月に微妙に番組名を変えることは普通では考えられません。当時は、中居の事務所退所を見据えて早めに手を打ったのではないかとみられていました。

 TBSはあまりジャニーズによる恩恵を受けていないため、キー局のなかではもっともジャニーズに気を遣っていないといわれています。事務所で1番人気のがグループとして冠番組を持っておらず、櫻井翔の『櫻井・有吉 THE夜会』も視聴率8%程度。TOKIOの国分太一がMCを務める『ビビット』も数字が一向に上がらず、局のお荷物状態です」(制作スタッフ)

 日本テレビフジテレビのニュース番組では、トップではなかったが、このニュースを報道した。

日テレは『ザ!鉄腕!DASH!!』『嵐にしやがれ』、フジは『TOKIOカケル』『VS嵐』というグループとしての冠番組を持っているので、なるべく穏便に済ませたかったのでしょう。日テレが櫻井翔がキャスターを務める週明け月曜の『news zero』でどう扱うかに注目されますが、参院選投開票日の翌日ですし、スルーする可能性が高いでしょう」(週刊誌記者)

 テレビ朝日は『報道ステーション』を放送しているにもかかわらず、一切触れなかった。

テレ朝は視聴率が良かった香取慎吾の『SmaSTATION!!』を香取の退所と同時に打ち切り、直後に事務所の古参タレントである東山紀之の『サンデーLIVE!!』を始めた。その半年後には、草なぎ剛の『ぷっすま』も打ち切った。

こちらは深夜番組で、数字を取っていたわけでもないので、『スマステ』のような強引な打ち切りには感じられませんでしたが、20年も続いた番組とは思えないくらいあっけなく終わった。『ジャニーズじゃなければ続ける理由がない』とテレ朝が判断したと思われても仕方ありません。テレ朝はジャニーズに対する忖度があからさまでしたから、今回もこのニュースを報じにくいのでしょう。これでは逆に、不信感を増すだけですよ」(同)

 こうした各局の姿勢について、テレビ局関係者は語る。

「キー局3つがニュース番組で取り扱ったということに、驚きを覚えます。これをきっかけにテレビ局によるジャニーズに対する忖度が弱まれば、事務所の弱体化も進み、事務所と局の関係、さらには芸能界の勢力図が大きく変わる可能性も出てくるでしょう」

 このビッグニュースを週末のワイドショー、特にテレ朝系の『中居正広のニュースな会』は取り扱うのか。スルーするようだと、さらに圧力や忖度が疑われるだろう。

(文=編集部)

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