加藤浩次(極楽とんぼ)は、現経営陣の退陣を吉本興業残留の条件に掲げているが、大崎洋会長と岡本昭彦社長は続投の方針を崩しておらず、退社が決定的。すでに事務所設立に動き出していることが判明した。
加藤に近い関係者は、こう明かす。
「元マネージャーの2人の男性が準備を進めているようです。加藤さんは(相方の)山本圭壱の復帰をめぐり、現首脳陣とぎくしゃくした関係が続いていたころ、『万一の時は頼みます』と、この2人に話していたようです」
2人のうち、A氏(仮名)は銀座7丁目劇場の支配人時代に極楽とんぼをデビューさせた恩人。現在は神奈川県内でサービス業を手広く営んでいる。B氏(仮名)は2006年に発覚した山本の淫行事件後に退社。イベント会社を設立し、山本復活のライブもサポートした。
A氏の会社のひとつは、定款に「芸能人のマネージメント」も明記されており、この会社をプロダクションとして受け皿にし、加藤のほか山本、田村亮(ロンドンブーツ1号2号)も合流するとみられている。
加藤が退社準備を急ぐのには、理由がある。
加藤は自らの退社をちらつかせ、『スッキリ!』(日本テレビ系)の生放送で首脳陣退陣を迫った姿が「男気」と評価され、同番組の平均視聴率は一連の騒動が起こる直前の5~6%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)から、最近は2桁まで急上昇。番組スタッフに叙々苑の焼肉弁当がふるまわれるほど好調が続いている。
ところが、23日に行われた大崎会長との会談において、合意点を見いだせず話し合いが継続になったことで、「『自分の中では決まっている』という、あの言葉は嘘だったのか」との批判があがり始めたのだ。
さらには、このタイミングでの退社は、公正取引委員会がSMAP独立後にジャニーズ事務所がテレビ局に圧力をかけたのではないかと疑問視し、注意を与えたことも関係している。
吉本興業についても公取委は現在、契約書がないことを問題視している。そのため、仮に番組を打ち切りにした場合、吉本興業が圧力をかけたとの疑いが持ち上がることは必至だ。「一時は視聴率低迷で打ち切りがささやかれていた『スッキリ!』だが、加藤は独立すれば逆に打ち切りにできないとみているのではないか」(日本テレビ関係者)との見方もある。このあざとさにネット民は気づき、「MCの加藤が番組を私物化しているのではないか」と騒いでいる。
こうした世論に配慮し、番組側は今回の独立騒動をほぼ扱わないよう番組の構成に配慮しているという。
『スッキリ!』の視聴率が好調なうちに退社を決め、番組を持ったまま独立するという加藤の計画は急ぐ必要があり、プロダクション設立は進められているのだ。
(文=編集部)