「キャンドゥ」は100円ショップ業界の大手「ダイソー」「セリア」に続く人気のブランドだ。そのシンプルなデザイン性と安定感のある良品、そして、数十個単位でのネット注文を受け付けているといったサービスで、大手2社に負けず劣らずの勢いを見せている。

 キャンドゥは、1993年創業という業界内でも比較的後発の企業だったが、バブル経済崩壊期の真っただ中において、世間の節約時流をうまくつかみ、翌年の1994年にはフランチャイズ展開をスタート。100円のみならず、品質に合わせて300円台、500円台と商品のラインナップも充実させているほか、人気のブロガーたちとのコラボ商品を展開するといったブランドイメージ強化の甲斐あってか、店舗数は2019年8月末時点で1034店舗となっている。店舗数が1000の大台に乗り、着実に勢力を伸ばしている印象だ。

 しかし、100円ショップといえば、残念ながら“安かろう・悪かろう”の商品が少なくないのも事実。そこで今回、「Business Journal 買うべき・買ってはいけない調査班」は、そんなキャンドゥの商品を独自調査。「この秋、買ってはいけないキャンドゥのグッズ」を5つ選び出した。

100円ショップといえど買って後悔することがないように、ぜひチェックしてほしい。

【この秋、買ってはいけないキャンドゥのグッズ5選】

重曹スプレー/110円(税込、以下同)

 さんまに松茸……。おいしい食材が豊富なこの季節、調理後のキッチンを清潔に保つのも大事な仕事のひとつだ。そんなときに役立つのが重曹を用いたクリーナー。弱アルカリ性の重曹は、油汚れや水垢といった酸性の汚れを効率よく落としてくれる作用がある。

 そんな重曹を用いた洗浄用スプレーは、生活雑貨を扱う100円ショップ各社が売り出している人気商品。

成分も基本的に重曹だけでシンプルなため、効果や安全面でもある程度保証されているのがうれしいところだ。

 しかしキャンドゥの「重曹スプレー」、買わないほうがいいのである。その理由はひとえに“量の少なさ”。他社ブランドは300mlや280mlを出しているのに対し、キャンドゥのものは260mlと少なめ。どれも110円と同じ値段なことを考えると、コストパフォーマンスは低いといわざるを得ないだろう。

なるほど 米とぎ/110円

 日本人なら毎日食べたくなる白米。

食卓にゴハンを並べたいときに役立つのがこの「なるほど 米とぎ」だというが、実際は疑問が残る……。

 長い取っ手と柔軟性のあるポリエチレン製の先端ブラシで、水に触れることなく米とぎができるというこの商品。取っ手の水切り部分を使えば、とぎ汁も手を汚すことなく捨てられるそうだ。

 確かに機能的には問題ない。が、そもそもこれをわざわざ買う必要があるだろうか? 味が落ちると言われるお湯での米とぎも、40℃以下のぬるま湯であれば問題ないとする説もあるため、素手であっても無理して冷水に耐える必要はない。何より今は“無洗米”も充実している。

買っても使わなくなる可能性が高いのではないだろうか。

スタンドチューブしぼり/110円

 毎日の歯磨きタイムで、気になるのが歯磨き粉をきれいに使い切ること。いつも残ってしまいがちで歯がゆい思いをしている人も多いことだろう。

 さて、この「スタンドチューブしぼり」に歯磨き粉チューブをセットすれば、ゼンマイを巻き込むことで効率よく歯磨き粉ペーストを絞り出せるというのだが、「Business Journal 買うべき・買ってはいけない調査班」の所感的には欠点も多い印象なのである。

 というのも、まず中身がまだわりと残った状態で取り付けると、すぐに倒れてしまうのだ。また、朝の忙しい時間にゼンマイを必死に巻くのはわりと億劫な作業。

取り外すときにけっこうな力が必要なのと、力を入れて絞っていると取っ手が破損しやすいのも残念だ。

ローテーションブラシ/110円

 季節も変わり、身だしなみも秋モードに衣替え。ヘアアレンジも秋に合わせて変える人も多いだろうが、この「回転式ブラシ」の購入には熟考の余地ありだ……。

 この商品、基本的には普通のヘアブラシと変わらないのだが、取っ手の押し込み式スイッチを押すとブラシが軸回転して、巻き込んだ髪がスルッとほどけるというのだ。これだけ聞くと問題なさそうに聞こえるが、実際は購入を後悔したという声が上っている。

 というのもこの押し込み式スイッチ、プラスチック製のバネパーツを円筒形のブラシ部分で押さえ込んでいるだけなので、ブラシ部分が、髪が引っかかるなどでうっかり外れてしまうと、中の小さなバネパーツが吹っ飛んでいってしまうという。

これは構造に詳しくないと戻すのもひと苦労なので、買って後悔したという声が上がるのもうなずける。

手作り時計キット/110円

 我が子と一緒に工作にチャレンジという方もいるだろうが、このキャンドゥの「手作り時計キット」は避けたほうがいいかもしれない。

 この時計キット、110円という安価な値段で時計がつくれるとのことで、一見お得な工作アイテムに思えるが、なんと文字盤が付いていないのだ。文字盤がなくてどうやって時計をつくるのか疑問だが、そこは各自適正サイズの板を別途購入し、自分で文字盤を描き、ドリルで穴をあけ、取り付けることが推奨されているらしい。肝心な部分がごっそり抜けている印象だ。

 しかも、文字盤と時計本体の底部のサイズを合わせないとキチンと置くこともままならない。おまけに秒針は付いておらず、動かすための単三電池も別途用意しなければならない。せっかく子どもとコミュニケーションをはかろうとしても、台無しになってしまう可能性があるだろう。

 キャンドゥには、シンプルかつ機能的な良品が多くあるのは事実。だが、すべての商品が完璧とはいかない。今回紹介した商品のように残念なものも中には交ざっているので、ぜひともこの記事を参考に「買ってはいけない商品」を回避していただきたい。

(文・取材=「買うべき・買ってはいけない調査班」from A4studio)