革新的な高額医療機器の保険適用と財政との調和、再検討が必要な時期に

 急速なデジタル技術の発展により、革新的な医療機器を公的医療保険にどう取り込み、財政との調和を図っていくのかという課題に我々はいま直面しつつある。

 その象徴の一つが、2014年11月、医療用ソフトウエア「Join」が医療機器として保険収載された事例であろう。この収載はソフトウエアとしての保険適用第1号の事例であり、当時話題となった。「Join」は、画像診断装置等から提供された人体の画像情報を(一定の処理後に)モバイル端末で共有可能なアプリで、診療のために利用するのが主な目的である。

 この事例は5年以上も前のものだが、現在では、遠隔医療や予防・健康に関する保健医療分野におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)がさらに進展しており、医療や健康データの蓄積と大胆な活用等により、国民の暮らしや健康が大きく改善される可能性も高まりつつある。

 しかしながら、現下の厳しい財政事情のなか、社会保障給付費(約120兆円)のうち約40兆円を占める医療費に対する改革圧力が高まっており、経済財政諮問会議や財務省は、CT(全身用X線CT装置)やMRI(超電導式磁気共鳴画像診断装置)といった高額医療機器に対する配置の適正化を求めている。

 約10兆円の医薬品市場ほどではないが、国民医療費に占める医療機器のコストが急速に増加していると考えているためである。では、GDPに対する医療機器コストの割合は今後どう推移していくのか。


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