北川景子主演の連続テレビドラマ『家売るオンナの逆襲』(日本テレビ系)第6話が2月13日に放送され、平均視聴率11.2%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録。ドラマは折り返しに突入し、ここまで視聴率2ケタをキープ中だ。
同作は、「私に売れない家はありません!」と自負する不動産営業ウーマン・三軒家万智(北川)が常識にとらわれない戦略で家を売りまくるというお仕事ドラマ。第6話で万智の勤めるテーコー不動産を訪れた客は、“恋愛感情を卒業した夫婦”だった。
カリスマ美容師・八十多湊人(武田航平)とビジネスパートナーでもある妻のつぐみ(内山理名)は、商売繁盛のため“風水的に良い物件”を求めていた。一方、湊人には妻以外の恋人・尾田まり(筧美和子)がいて、つぐみもそれを公認しているという。つぐみも今はフリーだが、恋人をつくることは湊人も了承している“友達夫婦”だといい、万智の夫・屋代大(仲村トオル)課長や部下の庭野聖司(工藤阿須加)はなかなか理解できずにいたが、万智は“恋愛関係ではなく人間同士”で愛し合う夫婦の形として受け止めた。
万智の豊富な知識や堂々たる話術によって、八十多夫妻の物件購入の意志は固まっていたが、あるとき、まりの年上の夫・順平(橋爪淳)が妻の不倫に気づき、湊人を追ってテーコー不動産に乗り込んできた。この騒ぎがきっかけで、湊人は物件の契約を白紙に戻すことにし、万智も了承。しかし、ここからが「私に売れない家はありません!」と豪語する万智の腕の見せどころで、なんと「家を売るため」に、フリーランスの不動産コンサルタント・留守堂謙治(松田翔太)と手を組むと宣言。実は、順平は留守堂の客だったのだ。
今回の作戦は、不倫などあり得ないと信じて生きてきた順平と、ナイスミドルが好みだと話していたつぐみをカップルにしてしまうという、これまた大胆なもの。万智と留守堂、テーコー不動産の面々で力を合わせて“運命の出会い”を演出した結果、順平は婚外恋愛のときめきを知った。その後は、万智が八十多夫妻&尾田夫妻の付き合い方を肯定しながら話を進め、2組の夫婦に同じマンションの別部屋を契約させてハッピーエンドとなった。
今の時代、さまざまな愛の形があるだけに、インターネット上でも「こういう夫婦もいるんだね。誰も傷つかないならいいんじゃない?」「自分にはどうしても受け入れられないな。不倫を肯定してしまうようで……」などと賛否両論が巻き起こったものの、それだけ視聴者に“訴えかけ、考えさせる”内容だったのだろう。ただ、やはり“友達夫婦”なんて言葉に置き換えたところで、多くの視聴者は“不倫”と思うらしく、「不倫の話はどう描いてもおもしろくない」「ドラマは好きだけど、今回はクソみたいな話見せられて不愉快」といった不満が噴出した。
また、いくら万智の大胆な営業が売りのドラマとはいえ、「最近はちょっと無理矢理すぎる」「あまりにも常軌を逸していて、『おもしろい』より『くだらない』っていう感想のほうが強くなってきた」との声も。このへんで軌道修正してほしいところだが、実は屋代にも“不倫フラグ”が立ちつつある。「屋代課長に限ってまさか!」と信じる私たち視聴者の思いが打ち砕かれないことを祈るばかりだ。
(文=美神サチコ/コラムニスト)