5月18日にNGT48を卒業した山口真帆が、大手芸能事務所の研音に所属すると発表された。山口は1月8日に暴行被害事件をツイッター上で告白。

NGT運営元は事件の火消しに走ったが、山口はツイッターを通じて抗議。その後も、運営元幹部による火に油を注ぐ対応が目立ったが、山口の言葉はファンだけでなく、NGTに興味のない一般の人にまで届いていった。芸能関係者が話す。

「普通ならアイドルのほうが泣き寝入りするような事件でしたが、山口は徹底抗戦した。その上で、卒業公演も行なうなどケジメもきっちり付けた。普通なら精神的に参ってしまい活動ができなくなってもおかしくない状況でしたが、山口は本当に強かった。この負けん気があれば、芸能人として大成しますよ」

 各事務所が獲得に奔走するなか、研音が山口のマネジメント権を得た。

「AKB系のタレントを抱えている事務所は、さすがに手を出せない。研音はかつて浅野ゆう子をトレンディードラマの女王にした手腕があるし、江角マキコ(2017年に芸能界引退)も“強い女”というイメージで売り出しに成功した。山口が女優を目指すなら、とても良い事務所に入ったと思います」(同)

 AKBグループは大手をはじめ、複数の事務所にタレントを配置することで芸能界における勢力を拡大してきた。AKBグループの顔色も窺わなければならないテレビ局は、山口を起用できるのか。

「そうはいっても、研音のようにAKBグループと距離を置いていた事務所もあります。
テレビ局にもAKBブームの恩恵に預からなかった人もいるし、AKBグループがアイドル界を席巻してから約10年が経ちました。売れている時は、みんな右向け右ですが、売れなくなるとすぐに引くのがテレビ界。ひっくり返る時は一気にひっくり返りますから、今後AKBグループを目にする機会は減っていくかもしれません」(テレビ局関係者)

 AKBグループから巣立ったメンバーはたくさんいるものの、卒業生でグループ時代よりも活躍しているタレントは少ない。

「4月にHKT48を卒業した指原莉乃はバラエティ番組に引っ張りだこですが、山口はバラエティ路線で売るわけではない。研音は山口智子や天海祐希、菅野美穂などの大物女優を抱えていますが、最近の若手になると有望株はたくさんいるものの、ドラマに主演して高視聴率を獲れるまでには成長していない。山口は今回の一件で知名度は急上昇しましたし、もし事件を想起させるようなドラマをつくれるテレビ局があれば、数字を獲るでしょう」(同)

 しかし、現実問題として、そんな企画が通る可能性はあるのだろうか。

「AKBグループは、まだまだ各局に影響力を持っていますが、仮定の話として『山口を使うならタレントを番組から降ろす』と強気に出られるほど、AKBグループや元メンバーが数字を獲っているわけではない。山口はNGT卒業公演をできて、事件を想起させるような曲まで歌った。今までなら考えられないですよ。しかも、これまでAKBと懇意にしてきたスポーツ紙も大々的に報道した。テレビだけが遠慮するとは考えづらいです」(前出と別のテレビ局関係者)

 芸能界の潮目が変わりそうだ。
(文=編集部)

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