中三の夏、麻雀インターミドルのテレビ中継で小学校時代の親友の「原村和(はらむらのどか)」が優勝する姿を見て、インターハイで和と相見えることを目標に、それまで廃部になっていた阿智賀女学院麻雀部復活に向けて動き出します。一見するだけでは言葉も行動も幼い子供のような女子高生ですが、実のところは自分と仲間の思いを乗せて邁進する、芯の強い一面を持ったとっても魅力的な女の子なのです。
【※一部、ネタバレの内容を含む可能性が御座います。ご注意下さい。】
■逆境こそ!
かつての仲間達と新しい出会いを経て復活した麻雀部において、とてもポジティブなシズは麻雀部のムードメーカー。向こう見ずな性格で半ば強引に皆を導いていきます。
無茶と思われた麻雀部復活もインターハイ出場も、トントン拍子に上手くいったのは、もちろん部員みんなの努力によるものですが、音頭をとるシズのどんな時でも諦めない姿勢があってこそだと思います。インターハイ二回戦オーラスでの一コマ、直前にシズがラス目に振り込んでしまい、なんとしても点数が欲しい・・・。しかし終盤、展開の不運と相手の打ち回しで、逆転が難しい状況に陥ってしまいます。「うわ、うわ・・・やばいやばい」と大いに焦るシズですがそれもつかの間、「でも・・・諦める訳がない!」と、頭と直感をフル回転させ、逆転手を和了。
ピンチの時こそ仲間たちも敗退を覚悟した表情でしたが、そこはさすがシズの戦友達、真剣な瞳でシズを見守っていました。シズが諦めないのなら誰も諦める事はないのです。仲間からの厚い信頼を感じずにはいられません。絶対に諦めない強い意志は本人だけでなく、仲間達全員の拠り所になっているのです。
■山っ子
奈良県吉野の山中を所狭しと駆け回る、かつての修験者にかわる山の主・・・。
「山」自体がシズの一つのテーマになっており、作中には山とシズを結びつけるシーンがたくさん出てきます。麻雀の能力も牌山に関係していますし、シズ自身も山を自らの庭と言ってはばかりません。
■礼儀正しさはさすがお嬢様学校?
前述の「ラーメン食べたい発言」ですが、なにも空気が読めずに言った訳ではありません。実は直前に監督の「赤土晴絵(あかどはるえ)」から勝利に浮ついた雰囲気を駄目だしされ、重苦しい雰囲気が流れている所での発言なのです。そうです、場を和ませる為の発言だったのです!なんと健気な女の子でしょう!(ただ、ラーメンが食べたかったのは本当でしょう・・・)
元気過ぎるために誤解されがちですが、シズはちゃんと空気は読めますし、年長者や対戦相手に対してはしっかり敬語を使います。ため口で接するのは憧や和などの同い年の親友くらいです。実家が客商売(和菓子屋さん)なのが関係しているのでしょうか?登山中にシズに遭遇したらそれは丁寧に元気良く挨拶してくれると思います!
■追いつきたい親友に
和とのインターハイでの再会。
憧れと思い出、両方の感情をもってシズは和を追いかけます。まっすぐに進むシズの姿についつい涙がこぼれそうになってしまうのです。
『咲-Saki-阿知賀編episode of side-A』は阿智賀女子が見事決勝進出を決めて奇麗に幕を閉じました。和を全力で追いかけていたシズは、決勝に進出することで、図らずも和を一歩追い越した形になります。あとは元作品の和が頑張って決勝進出を決めるだけですね!いまから次回作が気になって仕方ありません!
【原稿作成時期の都合により、内容や表現が古い場合も御座いますがご了承下さい】
★記者:つよろく(キャラペディア公式ライター)
(C)小林 立/スクウェアエニックス・咲阿知賀編製作委員会