ミュージカル『ファインディング・ネバーランド』の公開ゲネプロが14日に東京・新国立劇場 中劇場で行われ、山崎育三郎、濱田めぐみ、武田真治、小山ゆうな(演出)が取材に応じた。

同作は『ピーターパン』の誕生秘話を描いた、実話に基づく物語。
アラン・ニーによる戯曲とジョニー・デップ主演の同名映画を原作にミュージカル化され、2015年にブロードウェイで開幕した。今回は、注目の演出家・小山ゆうなによる新演出版での上演となり、主人公ジェームズ・バリ役は山崎育三郎、バリに影響を与える未亡人シルヴィア役に濱田めぐみ、劇場主フローマン役とフック船長役の2役に武田真治、シルヴィアの母親デュ・モーリエ役に杜けあき、バリの妻メアリー役に夢咲ねねら、実力派キャストで届けていく。

見どころについて聞かれると、山崎は「ラスト15分間、ここは何度やっても心が震えるというか、この作品での葛藤や思いが『ピーターパン』の物語にマッチする瞬間があって、何度やっても涙を堪えるのが大変というくらい美しくて絶対に見ていただきたい、注目していただきたいシーンです」と回答。濱田は「1幕ラストの、山崎さん演じるバリと、武田さん演じるフックが出てくるシーン。とにかく素晴らしくて面白くてワクワクするのでそこを見ていただきたいです」、武田は「このお二人の歌声が鳴り響くシーンはどれも見どころです。ミュージカル界のトップランナーが奇跡の共演ということで見どころになると思います」と答える。


さらに武田は「個人的にはジェームス・バリがピーターパンを書き上げるに至ったプロデューサーであるチャールズ・フローマンと、常識を壊してファンタジー作品に着手するよう誘ったイメージの中のフックを演じ分けてるところを押したいです。選りすぐりの子役たちの新鮮な演技と歌声、これも絶対に見どころになると思います」とアピールし、小山は「全部素晴らしいシーンばっかりなんですけど、バリさんとシルヴィアさんの2人のナンバーは今日も観ていてぐっときて、私も思わず泣いてしまうようなシーン。子供たちだけのナンバーも頑張っているので、ぜひ楽しく見ていただけたらと思います」と語った。

同作で伝えたいテーマについては、山崎が「自分としてはこの作品に出会って、改めて自分にとって1番大切なものに気づかされた。今日舞台に立って、自分が12歳の時に初めてステージに立った時のことを思い出したり、観客の皆さんにとって自分の原点にかえるような作品、皆さんの人生と重ね合わせるような作品になってると思うので、初心にかえれるような作品というのは一つテーマになってると思います」と表す。

また濱田は「舞台の中でも使われている、イマジネーションという言葉が印象に残っていて、この作品の中で自分の中での1番のテーマはイマジネーションの大切さ、面白さ。
そこに着目して見ていただけるとすごく面白いんじゃないかなと思います」、武田「僕が感じるテーマは常識にとらわれるなということだと思います。決して非常識であれということじゃないんですが、とらわれなかったことでバリは100年以上語り継がれるような物語を書いてるんですね。当時のイギリス演劇界としては考えられなかったファンタジー作品に着手するという。常識にとらわれなかったことで新しい世界を作ってくれたという意味でも、もしかしたら日常的にもこの作品を見て自分は常識にとらわれすぎているかななんて、見つめ直すきっかけになるのかなと思います」とコメント。最後に山崎は「こんな作品を待ってましたというくらい大好きな作品となりました。演劇でしか作り出せない奇跡のステージが出来上がってますのでぜひ会場で体感していただきたいと思っています」と観客へ語りかけた。


東京公演は東京・新国立劇場 中劇場にて、大阪公演は5月15日~6月5日、梅田芸術劇場メインホールにて6月9日~12日、久留米公演は久留米シティプラザ ザ・グランドホールにて6月17日~18日、富山公演はオーバード・ホールにて6月24日~25日、名古屋公演は愛知県芸術劇場 大ホールにて6月30日~7月1日。