「第32回日本映画批評家大賞」授賞式が16日に都内で行われ、受賞者が登場した。

映画『ある男』で助演男優賞に選ばれた窪田正孝は「素敵な賞をいただけて、本当に役者冥利に尽きる気持ちでいっぱいです」と感謝する。
「『ある男』というタイトル通りキーになる役どころではあったんですけど、逆にあまり情報で体の中を埋めすぎないようにした」「やっぱりどうしても、役を演じる上では足してった方が楽なのかなと思うんですけど、どんどん引いていく方を意識して演じました」と振り返る。

役者という仕事について聞かれると「今年で35になるんですけれども、やっぱり20代の時と感覚も変わってきて、どんどん若い方々、エネルギッシュな方々とできることもすごく楽しいですし、現場はすごく好きなんですけれども、現場と私生活って本当に表裏一体だと思うようになってきて、仕事しすぎても私生活が疎かになったりするとすごく実感して」と明かす。「インプットする時間がないとアウトプットできない。バランスというものをこれからもっと作っていくことで、この先現場が楽しくなったり、演じることにすごく意味を見出せるというか。手ではつかめないものを表すのが役者の仕事だと思うので、何かつかめないものを感じてもらえるように、届けられるように、今後も精進していきたいなと思ってます」と意気込んだ。

○受賞一覧

作品賞:『メタモルフォーゼの縁側』(狩山俊輔監督)
主演男優賞:中井貴一『大河への道』
主演女優賞:板谷由夏『夜明けまでバス停で』
助演男優賞:窪田正孝『ある男』
助演女優賞:吉岡里帆『島守の塔』
監督賞:三宅唱監督『ケイコ 目を澄ませて』
ドキュメンタリー賞: 『夢みる小学校』(オオタヴィン監督)
アニメーション作品賞:『夏へのトンネル、さよならの出口』(田口智久監督)
アニメーション監督賞:湯浅政明監督『犬王』
新人監督賞:竹林亮監督『MONDAYS/このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない』
新人男優賞(南俊子賞):坂東龍汰『フタリノセカイ』
新人女優賞(小森和子賞):伊東蒼『さがす』
脚本賞:吉田恵輔『神は見返りを求める』
編集賞(浦岡敬一賞):小林譲 竹林亮『MONDAYS/このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない』
ワタシタチのトキワ荘賞:一般財団法人手塚治虫文化財団
特別賞(松永武賞):立川志の輔『大河への道』
特別主演男優賞:岡田准一『ヘルドッグス』
ゴールデン・グローリー賞(水野晴郎賞):風吹ジュン『裸足で鳴らしてみせろ』
ダイヤモンド大賞(淀川長治賞):宮本信子『メタモルフォーゼの縁側』