松本幸四郎、『鬼平犯科帳』レギュラー陣から「カッコいい」の嵐

歌舞伎俳優の松本幸四郎が主演を務める時代劇『鬼平犯科帳』(2024年放送・配信、劇場公開)のレギュラー出演者が7日、京都・松竹撮影所で行われた記者会見で発表された。1969年に初代松本白鸚(八代目松本幸四郎)主演で映像化されて以来、丹波哲郎、萬屋錦之介、中村吉右衛門という名優たちが、火付盗賊改方(ひつけとうぞくあらためかた)長官・長谷川平蔵(通称・鬼平)を演じてきた同作。十代目松本幸四郎による今シリーズでは、平蔵の妻・久栄役を仙道敦子、密偵・おまさ役を中村ゆり、密偵・相模の彦十役を火野正平、筆頭与力・佐嶋忠介役を本宮泰風、同心・木村忠吾役を浅利陽介、同心・酒井祐助役を山田純大、同心・沢田小平次役を久保田悠来、同心・小野十蔵役を柄本時生、そして若き日の鬼平、“本所の銕(ほんじょのてつ)”こと長谷川銕三郎役を、幸四郎の長男・市川染五郎が演じる。この面々を受け、「『鬼平犯科帳』は時代劇の傑作です。傑作を最強のメンバーで作っている最中でございます」と力強く語る幸四郎。「自分自身、リアルタイムで叔父(中村吉右衛門)の鬼平を見ていて、ただただカッコいい、面白いと思って見ていた1人であります」というだけに、「(歴代の平蔵と)もう十分に比べていただきたいです。新しい『鬼平犯科帳』に、もう真正面からぶつかっていくつもりで作品に取りかかっております」と、撮影に臨む心境を語った。そんな幸四郎の印象について、火野は「いつもニコニコ笑ってるし、優しいし、おちゃめだし、何とかこの人をカッコよくしなきゃいけないと思って、とにかく(幸四郎の映っている)“映像が好きで好きでたまらない”というふうに見せたいと思ってやってる。以上でーす」とコメント。他のレギュラー陣にも聞くと、即座に幸四郎本人が「カッコいいですよね!(笑)」と言い、これに誘導されたキャストたちは――「幸四郎さんが火付盗賊改方の衣装を着て現場に来られたときは、僕、震えました。なんだか役者の気持ちを忘れてしまい、いちファンになって幸四郎さんを見ていました。カッコよかったです」(本宮)「『火付盗賊改方・長谷川平蔵』というセリフをおっしゃった姿を見て、ゾクッときました。それから本当にすごくシャープでキリッっとされてるんですけども、その中でおちゃめさもあって、シーン以外では人としてのかわいらしさみたいなのもすごくあって、すごくチャーミングな方だと思います。あ、カッコいいです」(山田)「僕はあのセリフのところは、隠し撮りしてお宝にしてます(笑)。どのような声が出るんだろうとかすごく楽しみにしていて、やはり声を聞いた瞬間にゾワッとして、『ああ、この座組に参加できてよかったな』というのを本当に改めて実感した瞬間でした」(柄本)「名乗りももちろんなんですけど、殺陣で対峙(たいじ)したときに、強さだけでなく包容力を感じたんです。一方で、普段の幸四郎さんはとてもおちゃめで、かき氷を差し入れていただいたときに『かき氷あるんですよね?』と聞いたら、僕には一切かき氷を見せてくれなくて(笑)、そんな姿もカッコよかったです」(久保田)「所作の部分でいろいろ迷うことがあるんですけど、座ったり立ったり、刀の扱い方だったり、結構参考にしています。そういう意味でいつも助かってます。カッコいいです」(浅利)「私はいつも緊張して現場に臨むんですけど、本当にさりげなく緊張をほぐしてくださるんです。人に対してとてもフラットな感じで接する姿が、鬼平に通じるなというふうに思いました。気遣いの方で、感謝しております。あっ、カッコいいです(笑)」(仙道)「威圧感のない先輩というか、本当に近所のお兄ちゃんみたいに接してくださるので、私もどんどん図々しくなっちゃう感じです(笑)。でも本当は、幸四郎さんがすごく心を使ってくださっていることなんだなと本当に感謝していますし、めちゃくちゃカッコいいです(笑)」(中村)――と、誰もがコメントに「カッコいい」を添える流れになり、チームワークの良さが垣間見えた。改めて今作の見どころについて、幸四郎は「『鬼平犯科帳』はいわゆる“捕物帳”で、悪いことやっている人を捕まえる、言ってみればそういう話ですけど、すごく人の生きざまが描かれた作品ではないかと思います。そこには人と人のつながりであったり、思いやりであったり、また情であったり、そこに恋・愛というものがあったりするかもしれません。そういう人間ドラマが描かれた作品だと思いますので、それをぜひ見ていただきたいです」と紹介。最後に「僕もそうですけど、みんなカッコいい人ばかりです(笑)。よろしくお願いします」とアピールした。この松本幸四郎版『鬼平犯科帳』は、シーズン1として計4作品を製作する。(1)2時間スペシャル『鬼平犯科帳 本所・桜屋敷』(2024年1月放送・配信予定)(2)劇場版『鬼平犯科帳 血闘』(24年5月公開予定、配給：松竹)(3)連続シリーズ『鬼平犯科帳 でくの十蔵』(24年5月以降放送・配信予定)(4)連続シリーズ『鬼平犯科帳 血頭の丹兵衛』(24年5月以降放送・配信予定)放送は時代劇専門チャンネル、配信プラットフォームは後日発表される。宮川朋之エグゼクティブ・プロデューサーは「シーズン2の撮影がもう決まっておりまして、来年のこの時期に、同じ松竹撮影所さんで撮影ができたらと思っております。できれば、シーズン3、4と続けていきたいと考えております」と意欲を示した。

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