イオンモールはこれまでのモールとは異なる新たな商業施設「JIYUGAOAKA de aone(自由が丘 デュ アオーネ)」を10月20日、東京都目黒区自由が丘にオープンする。
○イオンモールっぽくない!? 都市型の新業態

この場所は黒柳徹子さんのベストセラー『窓ぎわのトットちゃん』の舞台にもなったトモエ学園の跡地でもある。
2021年5月31日までは「ピーコックストア自由が丘店」が52年にわたって営業していたが、地下2階、地上4階建ての施設に生まれ変わった。

まず驚いたのは「イオンモール」っぽくないということ。

落ち着いた色味を基調としており、たとえば施設でひときわ存在感を放つ大階段のウッドデッキなどには東京都多摩産材の天然木を使用。東京都の資材の地産地消と地球温暖化防止にも寄与する。

街なかとは思えないほどに自然がたくさんある空間が特徴で、外壁の茶色いタイルは高い保水性能があり、気温上昇に対応する街のクールスポットとしての機能も担う。

ゆったりと過ごすことができるのは人間だけではない。
雨水を地下の貯留槽に溜めて植栽の水やりに再利用、さらに地域の鳥が休憩できるバードバスや巣箱を設置するなど動植物にも快適な場所となっている。

さらに屋上の「はらっぱ」からは自由が丘周辺の街並みを一望できる。空気の澄んだ日は富士山が見えることも! 自由が丘周辺でここまでの眺望が広がる場所は他にないのだそう。

3階部分には約1,000m2の緑豊かなテラスが広がり、1年を通じて様々な文化体験交流イベントを開催予定。自由が丘は近隣住民によるイベントの需要はかなり高いのだが、ここまでの広いスペースがこれまでなかったのだとか。

○首都圏初出店も! 自由が丘に合う路面店みたいな全26店舗

「JIYUGAOAKA de aone」には首都圏初となる新業態6店舗を含む全26店舗がテナントとして入る。
その一部を見てみよう。

カメラのキタムラは、通常の写真の現像や証明写真などの写真関連のサービスはもちろん、ビンテージカメラの取り扱いも豊富なのが魅力だ。

首都圏初出店、サンマルクグループ新業態のクロワッサン専門店「RISTRETTO & CROISSANT LABORATORIO(リストレット アンド クロワッサン ラボラトリオ)」では焼きたてのクロワッサンを堪能できる。北海道産キタノカオリの全粒粉を含む3種の小麦と厳選したバターを使用しており、濃厚で芳醇な香りが特徴。見た目にも美しい「アールグレイ」「カスタード&アプリコット」など目移りしてしまうが、まずは「クロワッサン(プレーン)」を食べてみてほしい。こんなにザクザクで美味しいクロワッサンがあったの!? と食感に衝撃を受けるはず。


さらにぜひ味わってほしいのが「バレルエイジドコーヒー」。ウイスキーの樽でコーヒーの生豆を寝かせたものを雑味のない水出しで抽出している。ウイスキーの風味が感じられる大人向けのコーヒーだ。

ほかにも、アパレルや靴、ライフスタイルショップなど見ているだけでもワクワクするテナントが。

「カリモク60」では1960年代の普遍性の強いデザイン家具を販売。シンプルでどこか懐かしいような、しかし今の時代でもスタイリッシュに長く愛用できそうなデザインに思わず惹き込まれる。
ソファやキャビネットなどの収納家具、ダイニングテーブルなど広い店内に数々の家具が並ぶ。

関東初登場となるのは、「ウメダチーズラボ」。新ブランド「CARIN&(かりんと)」も首都圏初出店となる。「ウメダチーズラボ」は大阪・梅田にあるチーズスイーツ専門店で、「飲めるチーズケーキ」などでも話題となった店。

「一果房」は「一果一会」をテーマにした旬のフルーツとフルーツジュース、スイーツの店でこちらも首都圏初出店。季節ごとに最もおすすめしたい「ひとつのフルーツ」にスポットを当て、その時期に合わせて日本全国世界各地から選び抜いた品種を3種類程度提供する。


店内で3種の食べ比べや、ジュース・ゼリーなどのデザートを楽しめるほか、テイクアウトできるスイーツのバリエーションも豊富だ。

そして「ピーコックストア」。2021年まで52年間営業を続けてきた地域住民から愛されるスーパーマーケットだったこともあり、リニューアルのための閉業中の約2年半の間、再開を待ち望む声が多かったという。

エスカレーターを降り、店内に足を踏み入れるとまず目に入るのはお酒コーナー。国産のワイン、オーガニックワイン、輸入ワインなど約250種類以上が揃う。日常的に飲める手軽なものから、ハレの日に飲みたいものまでシーンに合わせて選べるラインナップが魅力。


フローズンコーナーは一般的なスーパーマーケットと比べてもかなり充実している印象だった。恵比寿の人気店「ジャパニーズアイス櫻花」の商品も販売されるなど、「ちょっと良いものを食べたい」ニーズにも応える。

特徴的だと感じたのは商品を陳列するゴンドラ(棚)の配置。店内の中心に向かって放射線状に置かれているのだ。これは「お客様が見やすいように、そして移動しやすいように」考えられているためだそう。デリカコーナーでは焼きたてピザの提供も。フロア中央には、食と暮らしの情報を楽しみながら知ってもらえる場として新たにコミュニティスペースを設置した。

お会計は現金が使えるレジ5台、キャッシュレス専用レジが9台=合計14台のセルフレジでスムーズ。さらに店内中央付近にはイベントが実施できるコミュニティスペースもある。

今後は台湾点心「鼎泰豐(ディンタイフォン)」、チーズ料理専門店「CHEESE&DORIA.sweets」、寿司「Aburi TORA -熟成鮨と炙り鮨-」、生パスタ・窯焼きピッツァ「We eat Wheat」の4店舗が11月初旬より順次オープン予定。近隣に住んでいる人はもちろん、おしゃれな公園のようなイオンモールに訪れてみてほしい。

松本果歩 まつもとかほ 恋愛・就職・食レポ記事を数多く執筆し、社長インタビューから芸能取材までジャンル問わず興味の赴くままに執筆するフリーランスライター。コンビニを愛しすぎるあまり、OLから某コンビニ本部員となり、店長を務めた経験あり。Twitter: @KA_HO_MA この著者の記事一覧はこちら