●恋愛リアリティショーMC抜てき「自信になった」
2021年に『M-1グランプリ』で決勝に初進出したことをきっかけにブレイクしたお笑いコンビモグライダー。ともしげの天然キャラ、芝大輔の的確なツッコミで多くの笑いを生み出し大活躍しているが、芝はMCとしてもさまざまな番組に出演している。
そしてこのたび、映像配信サービス「Lemino」のオリジナル恋愛リアリティショー第3弾『テンキス ~キスすると人は恋に落ちるのか?~』(12月21日配信開始)でもMCに抜てきされた。芝にインタビューし、同番組の収録の感想や、ブレイク後の変化、自身の転機など話を聞いた。

『テンキス』は、「毎日キスをする」というルールのもと、初対面の男女に巻き起こるリアルを観察する恋愛リアリティショー。恋をしたい男女が非日常的な雰囲気のリゾートで共同生活をし、指定されたタイミングで毎日、今好きな人にキスをする中で、感情はどのように揺れ動いていくのか。恋の行方を見守るMCは、芝に加え、ヒコロヒー、山之内すず、タナカガ(パパラピーズ)が務める。

リアティショーの男性MCはブレイクした人気者が起用される印象が強いが、芝は今回のオファーに「最初は驚きましたけど、うれしかったです。
確かにちゃんと名のある方がやられているイメージがあるので、こういう番組に呼んでいただけるようになったんだなと自信になりました」と喜んでいる。

そして、番組の見どころについて「キスを基準に展開していくというのはほかにはないですよね。キスがゴールではなく、毎話毎話、何回もキスするので、飽きずに楽しめると思います」と紹介。

「僕も前のめりで見ちゃいました。人のキスってまじまじ見ることはあまりないですが、その前後の上手い下手もあったり、見た目とのギャップがあったり、そういうのも見ていて楽しかったです」と自身も存分に楽しんだようだ。

MCとして意識したことは特になく、4人で楽しみながらそれぞれ素直に思ったことを発言したという。


「最初ヒコロヒーとやると聞いた時、ヤニカスコンビみたいな2人がキスの番組をやるって驚きましたが、2人とも夢中になって楽しんでいました。すずちゃんとタナカガちゃんも素直にリアクションしてくれて、みんなで家に集まって見ているみたいな感じでやれたので、その雰囲気は良かったかなと思います」

○収録で学び「思っていることをちゃんと口に出したほうがいい」

そして、収録を通して「男女関係は何がきっかけでどう転ぶかわからない」ということを改めて感じたという。

「ちょっとした距離感や話し方などでいろいろ変わるんだなと。こういう時にはこうした方がいいのかなと思っていたら、そうではないパターンもあって、恋愛ってわからないものですね。予習復習ができないものだなと思いました」

自身に生かせそうな学びもあったようで、「思っていることをちゃんと口に出したほうがいいんだなと。よく『何を考えているのかわからない』と言われるので、もうちょっと思ったことを言うようにしようと思いました」と語った。


コロナ禍で危機感抱き仕事への意識が変化

芝自身は2018年に結婚し、2020年に第1子、2022年に第2子が誕生。公私ともに充実した日々を送っている。

結婚後や父親になってからの変化を尋ねると、「『変わらないですね』とも言われますが、半熟フレッシュのレイラちゃんは、俺に子供ができた頃に『芝さんは優しくなった』と言っていたので、どこか変化はあるのかなと思います」と答えた。

モグライダーは2021年の『M-1グランプリ』で決勝に初進出。「守るものができたという感じでもなかった」と言いつつ、家族ができたことで仕事との向き合い方に変化があったようだ。

「決勝に初めて行かせてもらったのが、子供が生まれて1年ぐらい経った頃だったので。ちょうどコロナで生活や環境も変わって、もしかしたら仕事が全部なくなるんじゃないかというタイミングでもあり、もう少しちゃんとしないといけないなと真面目に取り組むように。
あの時にまだ独り身だったらそうはなってなかったと思うので、家族ができたというのも関係あったのかなと思います」
○『M-1』決勝進出でブレイク「2年前からガラっと変わった」

そして、昨年からテレビ出演数が急増。芝は「2年前からガラッと変わりました。去年1年いろいろ出させていただいて、今年も途切れずにお仕事をいただき、そして今年もう1回決勝に行けて」と変化を述べ、「芸歴だと20年ぐらいになりますが、初めてのことが多く、わからないことだらけで、なんとか切り抜けてやっています」と話した。

現場での意識も変わってきたと明かす。

「やることは基本的には一緒ですが、関わる人が桁違いに増えて、今まで気にしてなかったことなども気にするようになり、そういった気苦労や気遣いはありますが、冷静に考えたら40歳なので、やっと大人になれてきたのかなと、ちょっとうれしさもあります。それまであまり胸を張れるような感じではなかったので」

リアリティ番組のMCのほかにブレイクを感じる瞬間を尋ねると、大物タレントとの共演を挙げた。


「僕はテレビばっかり見ていた人間で、テレビの世界に入ってそこで活躍されている人たちに遊んでもらいたいというモチベーションでやってきたので、この1、2年はそういった大物タレントの方たちにたくさん会えていることに喜びを感じます」

続けて、「最近も芸能界の象徴みたいな方に会うのが重なり、ノリさん(木梨憲武)のラジオに呼んでもらったら所(ジョージ)さんもいらして、大阪では上沼(恵美子)さんに会い、東京に帰ってきてアッコ(和田アキ子)さんに会い、不思議な感じがしています。向こうが知ってくれていることがめっちゃうれしいですし」と声を弾ませた。
○「子供の節目には立ち会えたらいいな」父親の顔をのぞかせる

充実した日々に喜びを感じている芝。忙しすぎて大変さを感じることはないか尋ねると、「子供の節目には立ち会えたらいいなと思いますが、こういう仕事なので可能な範囲で、という感じかなと。今のところは仕事最優先なので」と父親の顔をのぞかせ、「人の話でもうれしくなりますからね。くっきー! さんが朝からスーツ着ていて『どうしたんですか?』って聞いたら『娘の卒業式に行くねん』とおっしゃっていたときがあって、ほっこりしました」と優しい笑顔を見せる。


そして、「家のことはほとんどできてなくて、全くイクメンではないです」と言うも、「(子供たちから)パワーはもらっていますね。家に帰ったときに起きていると『お!』と思いますし、足音が大きくなると育っているなと感じます」と愛情がにじみ出ていた。

2023年は「上出来」 来年への意気込みも語る

番組に関連して、キスにまつわる思い出も聞いてみると、レギュラー出演しているTBS系バラエティ番組『ジョンソン』の企画「俺のベストキス発表会」を挙げ、「ファーストキスを再現しましたが、結局ファーストがベストだろうということで」と話した。

その際に、共演者たちから「演技がうまい」という声が相次いだが、「(見取り図の)盛山(晋太郎)とかがえらい褒めてくれましたけど、あれは本当に緊張したので、それがちょうど設定に合ったというだけです」と謙遜した。

前髪を下した新鮮な姿も「かっこいい」と話題に。モグライダーを結成した頃から前髪を上げ、メガネもかけ出したそうで、「覚えられづらい顔だったので、おでこを出して伊達メガネもかけてわかりやすい感じに。絵に描いてもらったときにすぐわかるのもうれしいなと思います」と話した。

そして、今年を振り返り、「去年からガラッと変わって1年間わけわからないまま走り抜け、今年は去年ともまたちょっと違って、レギュラーをもらえたり、スケジュール的には落ち着いた感じがしています。新しいことも多く戸惑いながらですが、年末までやって来られたので上出来かなと思います」と自己評価。「来年はさらに上がっていけるように頑張れたら」と力を込めた。

『テンキス ~キスすると人は恋に落ちるのか?~』は第1話~第3話まで無料配信。第4話以降は各最新話の配信開始から1週間無料で視聴できる。

■芝大輔
1983年7月25日生まれ、愛媛県出身。2009年にともしげとお笑いコンビ・モグライダーを結成。2021年に『M-1グランプリ』の決勝に初進出。トップバッターとして歴代最高得点を記録し注目を集める。2023年も決勝進出が決定。『ジョンソン』、『ラヴィット!』、『月ともぐら』、『金曜日のメタバース』などにレギュラー出演している。