●世代トップの出演数を誇る若手
「新年の頭にネクストブレイク候補を発掘する」、マイナビニュース恒例の正月企画を今年も実行。年々、他サイトで似た記事も増えてきたが、ここでは「よりフレッシュな先物買い」という観点から10人の若手俳優を紹介していく。


セレクトのポイントは、最近の出演作品で見せた可能性、出演予定のラインナップ、業界内の評価。近年、若手俳優の躍進が目立つだけに、早い段階からチェックしておきたい。
小栗旬社長が期待を寄せる逸材

1人目は、まさに2023年が飛躍の一年だった木戸大聖(27)。まず2022年11月に配信がはじまった『First Love 初恋』(Netflix)で主演・佐藤健の少年時代を演じて称賛を集めたあと、『僕たちの校内放送』(フジテレビ)で主演を担い、『ゆりあ先生の赤い糸』(テレビ朝日)では菅野美穂の相手役を堂々と務めた。

その一方で『全力!脱力タイムズ』(フジ)、『トークィーンズ』(フジ)、『1億円の大質問!?笑ってコラえて!』(日本テレビ)などのバラエティにも出演。この1年あまりで顔と名前を着々と売って、小栗旬社長率いるトライストーン・エンタテイメントの若手ブレイク候補筆頭となった。


2人目は、17歳にして芸歴17年のキャリアを持つ大西利空(17)。昨年は『どうする家康』(NHK総合)で森乱、『真夏のシンデレラ』(フジ)で主演・森七菜の弟を演じたほか、映画『水は海に向かって流れる』では主演・広瀬すずの相手役に起用されて注目を集めた。

今年も1月期にさっそく『さよならマエストロ~父と私のアパッシオナート~』(TBS)に出演する。世代トップの出演数を誇るほか、こちらも若手ブレイク俳優を次々に生み出すトップコートの所属だけに、さらに知名度を上げる可能性が高い。

3人目は、FANTASTICS from EXILE TRIBEのボーカルを務める八木勇征(26)。昨年は土曜午後の『沼る。
港区女子高生』(日テレ)、深夜帯の『ホスト相続しちゃいました』(カンテレ制作・フジ)に続いて、ゴールデン・プライム帯の『18/40~ふたりなら夢も恋も~』(TBS)と『ハイエナ』(テレビ東京)に連続出演。さらに主演ドラマ『美しい彼』の映画版も公開された。今年1月期も『婚活1000本ノック』(フジ)で主人公のバディとして婚活をサポートするクズ男の幽霊・山田クソ男を演じる。LDH屈指のイケメンだけにグループとともに飛躍の一年になるか。
○宮崎駿映画主演に抜てきされた18歳

4人目は、すでに朝ドラ大河ドラマへの出演歴を持つ山時聡真(18)。昨年は『大奥』の第1話にゲスト出演したあと、『最高の教師 1年後、私は生徒に■された』(日テレ)にレギュラー出演し、親の借金に苦しむ高校生を熱演した。
さらに宮崎駿の映画『君たちはどう生きるか』では、菅田将暉柴咲コウ木村拓哉ら主演級がそろう中、主人公の声優に大抜てき。今年も1月期から『マルス-ゼロの革命-』(テレ朝)で主要生徒役の1人を演じるなど、しばらくは学園モノに欠かせない存在になりそうだ。

5人目は、朝ドラ『おちょやん』で主人公の弟を演じたあと順調なキャリアを積んでいる倉悠貴(24)。昨年は主演ドラマ『犬と屑』(MBS)に加えて『だが、情熱はある』(日テレ)、『かしましめし』(テレ東)、『わたしの一番最悪なともだち』(NHK総合)に出演したほか、主演2作を含む映画5作にも起用された。今年はアメリカの配信ドラマ『SHOGUN 将軍』に出演するなど、あらゆるタイプの若者を演じられる強みを感じさせられる。

『下剋上球児』で知名度が急上昇

○『下剋上球児』で輝いた2人のイケメン

6人目は、『仮面ライダーリバイス』(テレ朝)の出演歴を持つ正統派イケメン・奥智哉(19)。
昨年は『大奥』、『ラストマン-全盲の捜査官-』(TBS)、『癒やしのお隣さんには秘密がある』(日テレ)などに出演した。時代劇、捜査一課の刑事、主人公の弟役と、各局へのドラマ出演で経験を積みながら着実にステップを上がっている。

7人目は、2019年に『騎士竜戦隊リュウソウジャー』(テレ朝)でドラマデビューを飾ったあと、ゲスト出演を中心に経験を積んでいた兵頭功海(25)。昨年は『CODE-願いの代償-』(読売テレビ制作・日テレ)で主演・坂口健太郎の後輩刑事、『下剋上球児』で終盤にエースとなる高校球児を演じて知名度が急上昇。さらに主演映画も2作公開され、『消せない記憶』では秘密を抱える舞台俳優、『18歳のおとなたち』では少年院を出た不良ながら映画制作に挑む青年を演じた。

8人目も『下剋上球児』に出演し、俊足の明るい高校球児役でインパクトを残した橘優輝(21)。
昨年は『女神の教室~リーガル青春白書~』(フジ)、『最高の教師 1年後、私は生徒に■された』、『下剋上球児』と3作で学生役を演じた。今年も1月期の『厨房のありす』(日テレ)に加えて、映画『劇場版 君と世界が終わる日に FINAL』にも出演するが、特徴的なウェーブロン毛で爪跡を残すのではないか。

○2023年にドラマと映画合わせて11作に出演

9人目は、昨年ドラマと映画合わせて11作に出演した曽田陵介(26)。『100万回 言えばよかった』(TBS)、『unknown』(テレ朝)、『トリリオンゲーム』(TBS)、『うちの弁護士は手がかかる』(フジ)などのメジャー作品が多く、映画でも『なのに、千輝くんが甘すぎる。』『交換ウソ日記』と学園ラブストーリーにきっちり絡んだ。今年は単なるイケメン役を超えたレギュラー出演が増えるかもしれない。


10人目は、かつて「男子高生ミスターコン2016」でグランプリを受賞した本田響矢(24)。2023年は主演作『ジャックフロスト』(MBS)をはじめ、『私と夫と夫の彼氏』(テレ東)、『合理的にあり得ない~探偵・上水流涼子の解明~』(カンテレ制作・フジ)、『恋愛のすゝめ』(TBS)など7作に出演して経験を積んだ。今年1月期も『セレブ男子は手に負えません』(ABC制作・テレ朝)に出演する。

いずれも単なるイケメンではなく、演技経験を持ち、存在感を放ち、可能性を秘めた俳優ばかり。ブレイク間近の若き俳優たちを一年間追いかけてみてはいかがだろうか。

木村隆志 きむらたかし コラムニスト、芸能・テレビ・ドラマ解説者、タレントインタビュアー。雑誌やウェブに月30本のコラムを提供するほか、『週刊フジテレビ批評』などの批評番組にも出演。取材歴2000人超のタレント専門インタビュアーでもある。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』など。 この著者の記事一覧はこちら