○コヤソニの終わりについて「考え出している」
――2008年から開催されているコヤソニ。今年の会見で「どういう風な終わりを迎えるのか」「残りわずかのコヤソニ人生」と終活について言及されていましたが、具体的に考えているのでしょうか。
具体的な終わり方は決めていませんが、60歳になった時に体力がどうなのかわかりませんし、絶対どこかで終わらなければならないので、考えないといけないなとは思っています。僕の家族がやらない限り「コヤブソニック」ではなくなるので、どうしたものかなと。しれっと終わるのも嫌なので、終わる時は「今年ファイナルです」と決めてやりたいとは思っています。最後は暑いけど屋外にステージを作ってやるのか。55歳なのか60歳なのかわかりませんが、終わりは来るので考え出している感じです。
――ラストにするという判断の決め手は体力的なところが大きくなるのでしょうか。
体力と、もちろん、お客さんが来てくれるのか、アーティストや芸人が出てくれるのかというのも関わってきますし、逆にこれまでよく続けてこられたなと思います。
――もちろんできる限り続けていきたいという思いも?
そうですね。素晴らしいアーティストの皆さん、そして芸人の方々も僕が選んだおもろい人たちに出てもらってお客さんが喜んでくれると、やってよかったなと感じるので。
○「新喜劇の係長・課長から吉本の一芸人になったような気がしている」
――芸人としての今後はどのように思い描いていますか?
僕と嫁はんが生きている間、生活に困らないお金を稼ぐことがまず目標です。以前は新喜劇を広めなあかん、面白い台本を作らなあかんと思っていましたが、座長を辞めて、そこから解放されてほわ~んとしているので、最近は僕のことを好いてくれている後輩とよくご飯に行っていて。前までは僕のことを面白いとか尊敬していますと言ってくれる後輩を気に留めてなかったんですけど、慕ってくれている後輩たちとご飯に行ってお酒を飲んでいたら幸せな気持ちになるんです。だからこれからは僕と絡んでいいと思ってくれている人とライブをやったり飲みに行ったりしながら余生を過ごしたいなと思っています(笑)
――慕ってくれている人たちとの時間を大切に。
そうですね。芸人と飲みに行ったり仕事をするのが楽しいので。以前、相方が漫才をやめるという時に、この世界から離れて別の仕事をしようかなと思ったことがありましたが、芸人のみんなと離れ離れになるのが嫌だなと思い、自分は芸人と一緒に飲みに行ったり、楽屋でしゃべったり、仕事するのが好きなんだなと思いました。
――お笑いに関して具体的にどんな活動をしていきたいと考えていますか?
新喜劇で座長をしていた時は自分で台本を作っていましたが、座長ではなくなって僕の台本でお芝居することがなくなったので、自分で台本を作ってお芝居するイベントがやりたいですね。あと、「小籔大説教」という悩みを聞くイベントをやっていて、お客さんに望んでいただいている感じがあるので、続けていけたらいいなと。兵頭(大樹)さんとのトークライブも楽しいので続けていきたいです。これまでは「座長とは?」とか「やらなあかん」というのを考えていましたが、今は自由の身になって、本当に好きなこと、楽しいと思うこと、そしてお客さんが喜んでくれそうなことをやっていけたらと思っています。
――座長の時はやはり背負っているものが大きかったわけですね。
楽しむなんて二の次というか、楽しんじゃいけないんだぐらいの気持ちでしたが、その呪縛から解き放たれて、今は定年になってバカンスを楽しんでいる気分です(笑)。新喜劇という企業に勤めて係長か課長をしていたところから、吉本の一芸人になったような気がしています。
――最後にファンの方々にメッセージをお願いします。
この年になって応援してくれる人たちのありがたみをすごく感じています。エゴサーチをすると僕のことをボロクソ書いて異常に嫌っている人もいるのに、よう好きでいてくれるなと。応援してくれてありがとうございますといつも思っていますし、これからも引き続き応援してくれたらうれしいです。そして、コヤソニは日本で一番優しい人が集まっているフェスだと思っています。アーティストさんにとって出演したからといって自慢できるフェスでもないのに利害関係なしに出てくれて。芸人は僕が選んだおもろいメンバーが集まっていて、目利きに関してはよそのフェスには負けないと思っていますし、「フォートナイト」エリアもものすごいプレイヤーが集まっているので、ぜひ遊びに来ていただけたらと思います。
■小籔千豊
1973年9月11日生まれ、大阪府出身。大阪NSC(吉本総合芸能学院)12期生。