大東建託は8月6日、「いい部屋ネット 街の住みここち&住みたい街ランキング2025」の全国版と都道府県版を発表した。調査は、2021年~2025年(全国版は一部の回答のみ2020年・2019年を追加)、全国47都道府県に居住する20歳以上の男女(全国版 計845,588名、都道府県版 計841,008名)を対象に、いずれもインターネットで行われた。

○街の住みここちランキング<全国版>

住みここち(自治体)全国トップは、2年連続で「北海道上川郡東川町」となった。全戸が豊かな地下水で生活する全国でも珍しい上水道がない町で、景観条例を制定し、子育て・起業化支援や「写真文化首都」として写真文化を通じたイベントや国際交流に力を入れるなど、独自の町づくりを推進している。ひがしかわ株主制度を利用して、東川町を体感した移住者も多い。居住者からは、「街灯がたくさんあり、夜でも散歩しやすい。都会でもなく、田舎でもなく丁度良い」(女性・26歳・未婚・パート)、「住んでる街の名前を言うと『いい街ですね』と言われることが多い」(男性・68歳・未婚・無職) といった声が寄せられている。

2位は「東京都中央区」だった。銀座や日本橋など全国的にも有名な商業中心地がある一方、月島や人形町など下町風情が残る街もある、東京都を代表するエリアのひとつ。また、臨海部の勝どきや晴海周辺は都心部再開発などにより大規模マンションが多くあり、「親しみやすさ」や「交通利便性」など多くの因子別項目でも高評価を得ている。居住者からは、「歩道が広く、段差や坂が少ない。住民が比較的若く、街に活気がある。スーパーが多く、遅くまで買い物ができる」(女性・34歳・既婚・営業職)、「新幹線、空港などへのアクセスが良い。徒歩圏内に生活、娯楽に必要なものが揃っていて、車がいらない」(女性・35歳・既婚・技術・研究職)といった声が集まった。


3位は「愛知県長久手市」だった。県の北西部に位置し、名古屋市、尾張旭市、瀬戸市、豊田市、日進市と隣接。名古屋市のベッドタウンとして発展、全国で一番住民の平均年齢が若い街としても知られている。リニモ沿線にはイオンモールやIKEAなどの大型商業施設もあり、買い物にも便利。居住者からは、「落ち着いた雰囲気。治安の良さ。ある程度歩けばスーパーも複数選べる。病院も個人向けがいろいろある」(女性・59歳・既婚・専業主婦) 、「公共交通機関の充実。深夜でも出歩ける治安のよさ」(女性・25歳・未婚・事務職) 、「生活するのに必要なお店等がそろっている」(男性・63歳・既婚・管理職)といったコメントが寄せられている。
○街の住みここちランキング<全国版>1~50位

18位までの自治体は、偏差値70以上で、相対的に極めて高い評価となっている。1位の北海道上川郡東川町は、「親しみやすさ」「防災」の2因子で1位、「静かさ治安」因子で2位、「行政サービス」因子で4位の高い評価を得た。トップ10では「親しみやすさ」因子で高い評価を得ている自治体が多く、6つの自治体(北海道上川郡東川町・東京都中央区・東京都文京区・東京都武蔵野市・沖縄県中頭郡北谷町・東京都港区)が「親しみやすさ」因子でもトップ10に入る高い評価を得ている。


昨年から大幅に順位を上げているのは、20位(昨年111位)の長野県上高井郡小布施町で、100位圏外からトップ20入りしている。その他、49位(昨年92位)の沖縄県島尻郡南風原町も大きく順位を上げてトップ50入りしている。
○街の住みここちランキング<全国版>51位以降

78位までの自治体は、偏差値65以上で、相対的にとても高い評価となっている。

昨年から大幅に順位を上げているのは、90位(昨年137位)の和歌山県西牟婁郡上富田町、98位(昨年186位)の沖縄県島尻郡与那原町だった。和歌山県西牟婁郡上富田町は、「物価家賃」因子で5位の評価を得ている。

110位(昨年213位)の長崎県北松浦郡佐々町、113位(昨年228位)の宮城県宮城郡利府町、138位(昨年224位)の長野県北佐久郡御代田町、145位(昨年252位)の群馬県北群馬郡吉岡町が、昨年から大幅に順位を上げた。

昨年から大幅に順位を上げているのは、156位(昨年513位)の愛知県西春日井郡豊山町、176位(昨年554位)の岐阜県加茂郡川辺町で、いずれも350位以上の大幅な順位アップをしている。

234位までの自治体は偏差値60以上で、相対的に高い評価となっている。
○住みたい街ランキング<全国版>

住みたい街(全国版)の1位は6年連続で、福岡県福岡市となった。回答をみると「交通の便が良い。博物館や美術館など近くにあり、手軽に鑑賞出来る」(女性・71歳・未婚・パート) 、「交通アクセスもよく、商業施設も多い。空港も近いから」(女性・31歳・既婚・専業主婦) 、「美味しいものが多く、都会でもあり、自然も近くにある」(男性・49歳・既婚・管理職) といった点が評価されている。
2位と3位は、5年連続で「沖縄県那覇市」と「神奈川県横浜市」となった。

1位の福岡県福岡市は、九州エリアおよび山口県の居住者から、4位の宮城県仙台市は、東北エリアの居住者からの支持が昨年に引き続き強い傾向にある。

トップ50では、31位沖縄県宮古島市、41位富山県富山市、43位東京都文京区、50位栃木県宇都宮市が新たにランクインした。
○街の住みここちランキング<都道府県版>

都道府県版の「住みここち」ランキングでは、東京都が、唯一偏差値70台の高い評価を得て、6年連続で1位に輝いた。因子別では、「生活利便性」「交通利便性」「親しみやすさ」「賑わい」の4因子で全国で1位、「行政サービス」因子で2位、「防災」因子で10位の高い評価を受けている。

2位は3年連続で「神奈川県」だった。因子別では、「交通利便性」「親しみやすさ」「賑わい」の3因子で3位、「生活利便性」因子で7位の評価を受けている。

3位は2年連続で「沖縄県」となった。因子別では、「親しみやすさ」「賑わい」の2因子で2位、「生活利便性」「行政サービス」の2因子で6位、「交通利便性」因子で9位の評価を受けている。
○「都道府県別住みたい街」全国から支持される東京23区

1つの県を除いて、それ以外の都道府県では東京23区が5位以内にランクインする結果となった。唯一東京23区がランクインしていないのは千葉県で、トップ5は全て千葉県内の自治体となっている。その他、東京23区が4~5位と相対的に低い順位となったのは、埼玉県・大阪府・兵庫県・長崎県・大分県・宮崎県・沖縄県の7県のみだった。


エリア内で他県からの支持を集めたのは仙台市と福岡市だった。福岡市は、九州7県と山口県で1位、沖縄県(3位)、広島県(3位)、鳥取県(4位)、愛媛県(4位)、島根県(5位)、京都府(5位)と、広範囲から支持を受ける結果となった。

大阪市が5位以内にランクインしているのは、関西エリアでは大阪府(1位)、和歌山県(2位)のみ、エリア外からは徳島県(2位)、三重県(3位)、愛媛県(3位)、高知県(3位)、福井県(4位)、香川県(4位)、岡山県(5位)の計9県という結果になっている。

上位3位を自都道府県の自治体が占めたのは、埼玉県、千葉県、東京都、兵庫県の4都県のみだった。県庁所在地が5位以内にランクインしなかったのは、福島県(福島市)、三重県(津市)、鳥取県(鳥取市)の3県、県庁所在地が4~5位だったのは群馬県(前橋市)、島根県(松江市)の2県となった。
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