レバテックは8月7日、リモートワークの実態調査の結果を発表した。調査は2025年7月15日~7月18日、ITエンジニアとして働く正社員654人を対象にインターネットで行われた。
○約4人に1人のITエンジニアが企業の要請で出社頻度が増加
ITエンジニアに対して現在の働き方を聞くと、「ハイブリッド型勤務(リモートワークと出社を組み合わせて働く形式)」が44.6%と最も多く、そのうち「週2~3日(45.2%)」出社している人が最も多いことがわかった。
コロナ禍と比較すると、約4人に1人が「所属企業の要請によって出社頻度が増加した(23.2%)」と回答し、出社回帰の動きが少なからず見られる。
○約8割が今後もリモートワークを希望
現在リモートワークをしているITエンジニアの約8割が今後もリモートワークを継続したいと回答した。現在リモートワークを実施していないITエンジニアにおいても、約4割がリモートワークを希望しており、リモートワークに対する根強いニーズがあることがわかる。
リモートワークによる業務の生産性については、約4割が「変わらない(37.9%)」と回答した。「大幅に向上すると思う(17.9%)」「やや向上すると思う(33.2%)」と回答した人は合わせて5割を超え、業務遂行において良い影響を実感しているITエンジニアも存在するようだ。
テキストコミュニケーションに約6割が課題感
ITエンジニアが考える出社のメリットについては、「コミュニケーションが円滑になる(44.8%)」や「情報共有がしやすい(40.8%)」が上位に挙がった。
リモートワーク中のテキストコミュニケーションについて聞いたところ、現在リモートワークをしているITエンジニアの約6割が「伝えたいことが上手く伝わらない」と感じた経験があると回答した。また、63%が「相手の感情や意図を汲み取ることが難しい」と感じた経験があると回答するなど、リモートワーク中のコミュニケーションにおける課題が浮き彫りになっている。
一方でデメリットは「通勤時間が発生する(64.5%)」や「人間関係のストレスが増える(31.3%)」「外食費・交際費が増える(27.5%)」などが上位に挙げられた。出社をすることで、コミュニケーション面の課題が解決されるメリットを感じつつも、時間的なコストだけでなく、経済的・精神的に負担を感じていることがわかる。
○出社回帰で約4割が同職種での転職を検討
リモートワークが可能であることは、働くうえでの条件として重要かという問いに対して、約7割が「重要な条件である」と回答した。
現在リモートワークをしている人に対し、「今後勤務先が出社回帰の方針を打ち出した場合、キャリアプランにどのような影響を与えるか」聞くと、「同じ職種での転職を考えるきっかけになる(43.7%)」が最も多く、30代では過半数を超えた。「特に大きな影響はない(41.6%)」と回答したITエンジニアは約4割に留まるなど、出社回帰が従業員の働くモチベーションや転職意向に大きく影響することがわかる。
もしフル出社に切り替わった場合に出社を検討できるような環境や制度については「フレックスタイム制の導入(42.2%)」が最も多く、「通勤手当・住宅手当の増額(41.8%)」「ランチ補助や社食の充実(28.9%)」が続く。一方で約6人に1人は「どのような制度・環境でも検討できない(16.2%)」と回答し、リモートワークへの強いこだわりが改めて浮き彫りになった。