俳優の西島秀俊が主演を務める映画『存在のすべてを』(瀬々敬久監督)が、2027年に公開されることが20日、明らかになった。
西島秀俊と瀬々敬久監督が1998年の『冷血の罠』以来にタッグを組む本作。
主演の西島は、警察担当記者の門田次郎役。『ドライブ・マイ・カー』で世界から称賛を浴びた彼が、再び人間の内面に鋭く迫るドラマに挑む。脚本を読んだ西島は、「二児同時誘拐事件をめぐるサスペンスと、登場人物たちの内面を描く人間ドラマに深く感動した」と語り、「観客の皆さんに心から楽しんでいただける作品を届けたい」と真摯な姿勢を見せた。
メガホンを取るのは、『64-ロクヨン-』や『護られなかった者たちへ』など、社会派ミステリーに定評のある瀬々敬久監督。人間の内面や時代背景に鋭く切り込む手腕には定評があり、本作でもその手並みに期待が高まっている。
製作は、東映とテレビ朝日が共同で手がける大型プロジェクトとなる。撮影は2025年8月下旬にクランクインを予定している。
■西島秀俊 コメント
脚本を読み、二児同時誘拐事件をめぐる手に汗を握るサスペンスと重厚な人間ドラマに感動しました。瀬々監督と本格的に映画でご一緒するのは1998年の「冷血の罠」以来になります。時代の空気や土地から匂い立つ気配、そして人間の業を深く描かれてきた監督と27年ぶりにご一緒できるのは本当に楽しみです。観客の皆さんに心から楽しんでいただける作品になるよう、心を込めて演じたいと思います。
■瀬々敬久監督 コメント
『存在のすべてを』は原作の塩田武士さんが、まさに足で稼いだと言っていい小説です。現実の場所に足を運び、そこの空気を直に感じて書き上げられた小説。想像の産物でありながら現実を超えるようなリアリティはそこから来ている気がします。
【編集部MEMO】
塩田武士は、1979年4月21日生まれ。46歳。兵庫県出身。新聞記者としての経験を活かし、緻密な取材と人間描写に定評のある小説家。2016年『罪の声』で第7回山田風太郎賞を受賞、同作は2020年に映画化され大きな話題を呼んだ。『騙し絵の牙』や『踊りつかれて』など、社会の闇と人間の業を描く重厚なミステリー作品を次々と発表。