伊藤匠叡王に斎藤慎太郎八段が挑む第11期叡王戦五番勝負(主催:株式会社不二家)は、伊藤叡王リードで迎えた第4局が5月23日(土)に大阪府泉佐野市の「犬鳴山温泉 み奈美亭」で行われました。対局の結果、両者秒読みの終盤戦で抜け出した斎藤八段が155手で勝利。
○序盤はじっくりと
第3局は意表の四間飛車で一勝を返した斎藤八段は先手番では得意の相掛かりを採用。予想された戦型のひとつで、この日は両者の息が合って盤上は角交換型の持久戦へと落ち着きました。ともに雁木に組み桂交換から開戦の時期をうかがうのはプロ好みのじっくりとした中盤戦。すでに定跡も前例もなく、ともに早い段階から持ち時間を投入して方針を練ります。
対局開始から8時間後の18時ごろ、それぞれ飛車先の歩をへこませ合う模様合戦が落ち着き、徐々に本格的な戦いが近づきます。形勢はまだまだ互角で、100手近くまで続く長い中盤戦真っ最中の局面にして二人は一分将棋に突入。やがて斎藤八段が角銀交換の駒損で後手陣を食い破る非常手段を決行。伊藤玉に先に王手がかかって一気に局面は激しさを増してきました。
○一転激しい玉頭戦に
守勢の伊藤叡王も手筋を駆使して反撃開始、攻め合いを望みます。この数手後、双方の玉が右辺に集結した玉頭戦に本局の勝負の綾が隠されていました。玉同士が最接近したところはすぐにでも王手をかけたくなるものの、遠巻きに馬を作って玉頭に加勢したのが観戦者をうならせた斎藤八段の勝着。
終局時刻は20時6分、最後は伊藤叡王の投了で熱戦に幕が引かれました。終局図でどちらの玉にも寄り筋はないものの、相入玉となったときに先手側が大きな駒得になって逆転の見込みはありません。二転三転の終盤でチャンスをつかめなかった伊藤叡王は「中盤から終盤にかけてうまく指せていない将棋が続いている」と敗戦にも冷静な分析をのぞかせました。
両者2勝2敗で迎える注目の最終第5局は5月31日(日)に千葉県柏市の「柏の葉カンファレンスセンター」で行われます。
水留啓(将棋情報局)











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