打線活発化のカギを握る山田哲人が今季1号アーチを放った(C)産経新聞社

 ヤクルトの山田哲人が4月29日の巨人戦(東京ドーム)に「6番・二塁」でスタメン出場し、今季1号2ランを放った。チームも9-0で快勝し、球団通算4500勝を達成した。

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 3回の第2打席、無死一塁でフォスター・グリフィンの初球カットボールを一閃。左翼席へ運ぶと「一発で仕留めることができました」とコメントした。

 山田は3月29日の中日との開幕戦(神宮)の2回、走塁中のアクシデントで途中交代。下半身のコンディション不良で2軍調整を行っていたが、4月20日のDeNA戦から1軍に復帰していた。

 キャプテンの離脱中、チームはなかなか波に乗れない状態が続いたが、4番の村上宗隆に本塁打が出始め、ホセ・オスナとドミンゴ・サンタナの両外国人が好調をキープして、打線を支えていた。

 髙津臣吾監督は山田を復帰後「6番」に起用しているが、「6番バッターというのは非常に重要視している。

前のバッターがいいので、ランナーがたまった場面での打席が増えると思いますし、彼の打席に期待したいと思います」と語る。

 山田の「6番」は打線が活発化するための重要な意味を持っている。

 大松尚逸打撃チーフコーチも「(4番の)村上、(5番の)サンタナで、その後の6番の打撃がグンと下がると、なかなか相手も(4番・5番と)勝負しない。テツ(山田)がそこにいてくれるということは、相手にプレッシャーがかけられると思うので、チームとしては助かります」と言う。

 山田自身も「(6番は)重要だと思います」ときっぱり。一方で「6番じゃなくても、どんな打順でもそのときの役割というのがあるので、その役割ができたらと思っています」と抱負を述べていた。

 これまで「1番」や「3番」と上位を務めてきた山田の実績と経験があるからこそ、大事な打順を任せられる。

 チームを引っ張るキャプテンは「バットは振れている。結果を出したいと思います」と意気込む。その言葉通り、この日の一発は初球からバットを振り抜き結果を残すと、これで4試合連続安打となった。

 強力打線がつながり、4番の村上にも5号ソロが飛び出すなど先発全員安打で16安打9得点を挙げた。先発のミゲル・ヤフーレは3安打完封の快投を見せた。

 ヤクルトが上位に進出するためには、背番号「1」の活躍が必要不可欠。山田がチームを上昇気流に乗せる。

[文:別府勉]